宴 席   -平成25年4月16日~30日までの法話

2013-06-25 16:24:40 | 法話

「宴 席」

 四月になって新年度が始まったが、毎度のことながらしばらくは宴席が多くて困ってしまう。今月は十席ほどで、これからの月末に向かってそれが続くから困るのである。つまるところ、三日に一遍は外で飲んでいる計算になる。困るのならは飲まなければいい、と思われるかもしれないが、情けないことに、飲まないと座が持たなくなって困るから、ついつい飲んでしまう。

 実は、15日も会議があって、その後の一席で御馳走に預かった。でも、法話の原稿を今日中に仕上げなければならないから、自重しようときめていたが、嫌いではないから、ちょいと一杯のつもりが、ついつい盃を重ねてしまったのである。

 因みに、春は花である。達谷窟毘沙門堂では、初春の花、オウレン、キクザキイチゲ、ショウジョウバカマ、カタカゴ(カタクリ)が咲いている。オウレンは盛りを過ぎたものの、キクザキイチゲ、ショウジョウバカマは花盛り、カタカゴとミズバショウは咲き始め。一番に咲くマンサクは散り際だが、馬酔木の花は満開で、コブシが咲き始めた。花といえば花見で、その掉尾を飾るのは枝垂桜である。

 月末の29日は鎮守の白山様の御祭礼で、觀櫻會(桜祭り)が執り行われるのだが、花が散ってしまわないか心配である。今日、例年より早い桜の花を、毛越の桜岡と毛越寺の山門前で見た。でも、開花の早かった東京を始め、各地で花の持ちは良かったというから、寒の戻りに期待するが、それもおかしな話である。

 御祭礼の29日はかつての天長節で、八分咲きの桜のもと神楽が奉納されるが、温暖化なのか、天候の激変に悩まされつつも、今年も豊年満作を祈念して、風雨順次を祈りたいと、宴席を早めに切り上げ、原稿を認めながら思ったのである。因みに桜の咲くこの季節こそ、稲作においては種蒔き秋(どき)だという。


境内整備  -平成25年4月1日~15日までの法話

2013-06-25 15:20:58 | 法話

「境内整備」

恒例の境内整備が、年度末の3月31日に行われた。例年であれは、雪解けの泥濘が障害となり、四月半ばにならないと目方の嵩張る大型重機は境内に入れないはずなのに、今年はそれか可能だったのは、桜前線が猛スピードで北上するのと相俟って、雪の消えるのが早かったこと。それに加えて雨が少ないという好条件にも恵まれたからだろう。因みに、業者は常のごとく、前沢のササキクレーンである。

 この日は寒の戻りか、小雪の舞う中での作業となった。まず始めに、西側の岩面大佛の頭上に聳え立った、マツの伐採から行うことにした。このマツはマツクイムシによって枯渇したのだが、断崖絶壁から迫り出すように生え育ったため、森林組合ではお手上げだったのだか、クレーンを使って幹の中ほどにワイヤーを掛け、漸く伐採ができたのである。

 ところで、今話題のマツといえば、陸前高田市の「奇跡の一本松」に止めを刺すのであろうが、この一本松の伐採と建て方を請け負った業者こそ、ササキクレーンだったのである。一本松は復興のシンボルとして現地に保存されるが、こちらのマツは樹齢70年ほどのベニマツで、当地ではヒメコマツと呼ばれる良材だが、1メートル(3尺)程に玉切りされた後軽トラックに積まれ、我家の山に運ばれていった。そこで、燻蒸処理の後土にかえる運命にあるのは、悲しいことにコストに見合った有効な使い道が見つからないからである。

 引き続き、クレーンを使って、高所からの岩壁の安全点検と境内樹木の枯れ枝の撤去を、一日がかりで恙なく終えた境内は、折しもセリバオウレンが花盛りで、キクザキイチゲも漸く咲き出したが、早朝は薄氷が張り、この日一日は固く蕾を閉じたままであった。

 さて、今日からいよいよ平成25年度が始まる。因みに、クレーンによる境内整備は新年度から半年ごとに行うこととした。作業の終了間際に、やや大きな地震があったが、何よりも、安全第一を毘沙門様に願うからである。       合掌