第4回達谷窟写真展 記念講演 「菅江真澄と達谷窟」

2013-08-25 17:52:05 | 季節のお知らせ

第4回達谷窟写真展 ~浄土の風に誘われて~

  記念講演会「菅江真澄と達谷窟」  さいかちの会代表 赤塚 喜恵子

          ―天明の旅人 菅江真澄 真鏡山達谷西光寺 訪問―

 平成25年8月24日? 達谷窟御供所において、一関市の「さいかちの会」代表の赤塚喜恵子氏による、達谷窟写真展記念講演が行われました。

 

 天明6年1月、平泉善阿弥 千葉家(現当主 千葉良胤氏)に逗留した菅江真澄は、当家に於いて、厚いもてなしを受けながら、平泉周辺を巡りその様子を「かすむこまがたに」記している。

 天明6年1月26日には達谷窟を訪れ、記録に残す。

 赤塚氏は、「かすむこまがた」の達谷窟訪問の下りを原文を拡大し、菅江真澄の記した文章を、色々な角度から説明して下さった。当時の歴史、江戸時代の風習、この地方で生きた人々の考え方などを、面白おかしく、ときに厳しい風刺でもってお話しいただいた。

 参加した人々を飽きさせることなく、一時間半に及ぶ講演会を終えた。

写真は講演会の様子と、千葉家に伝わる菅江真澄をもてなす際に使われた漆器などImg_1442
である。Img_1443
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第4回達谷窟写真展 記念講演のお知らせ

2013-08-20 17:14:54 | 季節のお知らせ

第4回達谷窟写真展~浄土の風に誘われて~「平泉の四季と祭」

 平成25年8月1日から8月31日まで、達谷窟毘沙門堂 別當 達谷西光寺 御供所において、達谷窟写真展が行われております。第4回を迎えることができますのも、平泉写真同好会始め、関係各位のご協力の賜物と、深く感謝しております。

 さて昨年より写真展の記念講演を行っております。(昨年の講演は、千葉ローズマリーさんによる自書小説「Summer Glass」の朗読会) 今年の記念講演は、江戸時代の紀行家 菅江真澄と達谷窟のかかわりについてを、一関市の「さいかちの会」代表の赤塚喜恵子さんに講演頂きます。

 

 日 時  平成25年8月24日(土)  午後2時より

 場 所  達谷西光寺  御供所

         ※入場は無料です

(抜粋) 「九葉紅葉(くようもみじ)」 平成11年11月16日~30日までの法話

 菅江真澄を読んで、達谷窟を訪ねてきた人がいた。都会の人らしく、みちのくの彩かな紅葉を期待して来たようだが、折悪しく今年の紅葉は、あまり美しいとは言えない。その人のお目当ては九葉紅葉、即ち葉っぱの先が九つに分かれた楓のことで、銘木として江戸時代の文書に度々登場する。

 九葉紅葉は毘沙門堂の西に植えられている。人の背丈ほどの・・・・・(途中省略)

 菅江真澄は、天明6年正月26日、達谷窟を訪れて、解けた雪の中から朽ちかけた九葉紅葉を争って探す人々の姿を目にしている。厄除けのお守りにしたのである。毘沙門堂の境内は殺生禁断地で、葉っぱ一枚と言えども持ち出すべからずと言うが、九葉紅葉だけは別だったらしい。

 暖かい日が続いたせいか、九葉紅葉の紅葉も今一つだか、その人は赤く色づいた大きな葉っぱを押し頂くと、大切そうにバックに納め、毘沙門様に手を合わせ、残り少ない秋の良い思い出になりましたと、お礼を述べて帰って行った。  (以下省略)

 


「豪雨(ごうう)」 平成25年8月1日~15日までの法話

2013-08-11 11:12:12 | 法話

「豪雨」

 空梅雨が一転して、雨ばかりである。その雨も、しとしとと梅雨らしい雨ならば趣もあるが、夕立のごとく降るから困るのである。

 7月27日の豪雨は、特に酷かった。いわゆる車軸の雨とはこのことで、正午過ぎに鳥居の北を走る照井堰の水が、参道に溢れ出した。先日に引き続き、二日続けて氾濫したのはまさに椿事である。雨脚が速いので水が掃けず、丹で彩られた二之鳥居は、厳島神社の風情で美しい、などと暢気に構えているわけにもいかない。

 黒門の前濠と案内所は一昨年の師走に修復を終えているので、どんな雨でもびくともしないが、参拝客が幾人か残されている。斬くして、少しでも堰の水を減らそうと、苦肉の策ではあるが、蝦蟆ヶ池の止水栓を開け水を落としたのが大失敗で、水圧が掛らないため中島の護岸が一部崩落の憂き目に遭った。

 続いて毘沙門堂の雨漏りで、午後一時頃から突然激しく漏り出した。平成22年に銅板の葺き替え工事をしてからこんなことはなかったから、大騒ぎである。職員総出で拭き掃除を行い、直ちに銅盛板金に連絡し、駆けつけた職人さんに尾根裏を見てもらうと、大きな乾草の塊が岩と屋根の隙間まで連なり、折からの激しい雨と相俟って、毛管現象を生じているらしいという。

 それにしても、なんの巣であろうか。ムササビならば杉皮を集めるはずなのに等と訝しく思っていたら、どうもハクビシンの巣らしい。ゴミ袋一つほどの乾草は取り払ったが、豪雨の中、屋根に上がるには危険すぎて、完全に除去できないから、それを伝ってスサマジイ雨漏りが止まない。急遽バケツならぬ衣装ケースを水槽代わりにして、どうにか対処していると、今度は岩面大佛様西側の法面が畳10畳ほど滑り落ちたと言うではないか。

 午後3時過ぎに、さしもの豪雨も雨脚が弱まったので、被害状況を確認するため、境内を再度巡回した。今回の豪雨被害は前述のごとくで、一昨年の秋に金成緑化の庭師が、コンクリートを少しも使わないで修繕した白山沢の滝は、微動だにしない。これには本当に感心した。

 とまれ、備えあれは憂いなしの諺通り、今回の豪雨に学ぶことも多かった。建設業者は人命に係わる復旧を優先したいというから、31日に今年の風雨順次を、毘沙門様に祈ったのである。