量子論
量子論とは、「光は波なのか粒なのか」という昔の人の疑問から話が発展していきます。
いろいろな実験やら理論やらを突き詰めていくと、光は粒子の性質と、波の性質のどちらも併せ持つことがわかりました。さらに、光に限らず原子よりも小さいようなミクロのモノは何でも同じように粒と波の性質を持つことがわかりました。これらを合わせて「量子」と呼びます。
いろんな研究の結果、ミクロの世界ではあらゆる物質は「状態の重ね合わせ」という不思議な現象が起こることがわかりました。 さて、状態の重ね合わせとは何でしょう•••?
状態の重ね合わせとは?
ここに、ある箱があったとします。この箱には仕切りを入れることで、中身を分けることが出来ます。
この箱の中にボールを入れてフタをします。中の様子は見えません。そして真ん中に仕切りをします。ここで、このときボールが左右どちらにあるかをかを考えます。どのような状態にあるでしょうか。
常識的には仕切りをした時「ボールはどちらか一方にある」と考えます。そしてフタを開けてみても同じです。ボールはどちらか一方にあります。
量子論では二つの状態が共存します。量子論の最も重要な原則は、一つの電子が複数の状態を同時に取ることができると考えることです。そして、電子の状態とは 「電子の位置」のことです。
箱の中に電子1個を入れてフタをします。中の様子は見えません。箱の真ん中に仕切りを入れます。ここで、電子が左右どちらにあるかを考えます。
電子の状態 共存1
常識的に考えると, 確かに電子は左右どちらか一方に存在しています。しかし量子論的には電子は左にある状態と右にある状態が重なり合っています。そのため、確率を用いなければ、左右の箱どちらにあるかは議論できません。電子が2つに増えたわけではないことに注意してください。この部分が量子論の理解し難い部分です。箱を開けて光を当てて電子を観測をすると、電子は左右のどちらか一方に存在してることが確認できます。
電子の状態 共存2
上記のことが量子論の世界で起きることです。つまり、 中が見えない箱の中に 「電子が左にある状態」と「電子が右にある状態」が共存しているのです。これを「状態の共存」といいます。そして観測を行うと電子が左右どちらにあるかが確定します。このことを「収縮」と言います。
シュレーディンガーの猫
このようにミクロな世界では、物質が様々な状態で重なっている•••。こんなこと言われても、素直に信じるのは難しいと思います。他の科学者も同じように、こんなことあるわけがないだろ!と考える人もいて、大変大きな議論になりました。
シュレーディンガーという科学者は、上記の状態の重ね合わせの考えを、ある思考実験によって否定しようとしました。この思考実験が有名な「シュレーディンガーの猫」と呼ばれている話です。
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