ハミなし頭絡で楽しい馬生活!日本ビットレスブライドル協会

テーマ別に連載形式になっています。テーマ別に最初の記事からお読みください。

削蹄をやめたら体調がよくなった

2023年02月15日 | 裸蹄管理

 去年12月あたりから、削蹄してもらうのをやめました。なんかね、削蹄すると、体調が悪くなる(体を痛がるようになる・跛行が出てくる等)、ついでに機嫌も悪くなる、それがようやく落ち着いたかなって時に次の削蹄がやって来る、これじゃあ、無限ループじゃないってことで。意味を感じなくなった。

 削蹄をやめて、でも別に蹄が過長になんかならないんですよ。毎回見て思うのだが、蹄の状態が毎度ちょっとずつ変わるのだけど、悪い方向にはどうやらならない。冬場という条件もあるんでしょうけども。こないだ久しぶりに、マニキュアを塗ったら、また、良くなってきてるし。

 装蹄や削蹄で蹄をいじるというの、本当にやっていい事なんでしょうか?

 装蹄でも削蹄でも、野生では絶対に起きない力のかかり方をしますわね、蹄に対して。特にヤスリ。あれ、本当に無用なんじゃないかなあ。

 最近、蹄葉炎の本質がちょっと見えてきて。人間で言えば、要は「ひょう疽」ってことなんでしょう。痛~~~~いよお。これに巨体の体重がかかる、よく我慢できるよ~~~。で、その原因は「爪水虫」と。

 今行われている「治療」ですけど、全部やるべきことと逆行していると感じる。

 とにかく、炎症を起こしている部位についてやるべき第一は「安静」の筈なんです。余計な刺激をするなってこと。ヤスリだのなんだの、ゴリゴリ痛いとことに刺激を加えるって、ひどくないですか?それだけじゃなくて、結局それが「刺激」になって、炎症物質の産生を誘う。で、ますます炎症が酷くなる。

 あと、包帯。あれ、血行を妨げます。従って、治癒が遅れるどころか、下手をするとうっ血して、蹄周囲の組織が死んでしまうことになりかねない。

 という事で、今のスタンダードって、大間違いってことでしょうな。

 自分の馬を見てると、なんか、ディープインパクトの死因が見えてきた気もするんです。あの馬は最初から蹄に問題がある、と言われてました。蹄が薄いから、接着装蹄してたって。だーかーらー、蹄を薄くしちゃうような刺激を一切与えないで、装蹄なし・削蹄なしで行ったらよかったんじゃないのかしらね。祖先のサンデーサイレンスは蹄葉炎で死んでるんですが、これも、思うに、爪水虫の悪化が蹄葉炎を招いたとしか思えない。残念だけど、サラブレッドは、全頭水虫に罹患させられてるもの。冷鉄装蹄&装蹄師の衛生管理不備のせいだけど。
 ディープは、引退した後でも当然水虫治療なんかしてないはずで、そうなると、蹄の不備が全身に及ぶ。首が痛いとかいう話でしたけど、自馬は背中を痛がってた。これ、蹄をあれこれかばって立ってるうちに、あちこちに痛みが波及するんだと思うんです。病態の本質を考えないで、安易に手術なんかして。だから死んだんだよ。多分ね。

 


新年のご挨拶と、ちょっとウレシイ事

2023年01月01日 | 裸蹄管理

明けましておめでとうございます。

 今年も多分、色々考えなくてはならないことがたくさん出てくるとは思うんですが、めげずに行きたいと思います。

 獣医療の面白みといいますか、やっぱりねえ、真実は本なんかには書いてないんです。結局患者さんが教えてくれるんですが、それもこれも、こちらがそれを受け取る姿勢があるかどうかで決まっちゃう。本に書いてあることや、誰かが吹聴してたことに、患者さんの状態を当てはめて「そーれみろ」じゃ、全然勉強にならない。診方が凝り固まっちゃって、別視点が入ってこなくなるでしょ。

 大動物の先生方が決定的にできてないのは、「一頭の患者を継続して診る、観る」事に尽きるんじゃないかしら。情報が飛び石だもんね、治せませんよ、それじゃ。カルテすらろくに取ってないようだし。かつて、人医の先生の本に「医学とは記載の学問である」とあって、それを読んでカルテの重要性を理解できたんですが。

 さて、ところで、去年は管理人が獣医師として、初めて自馬以外の馬患者さんに対応し始めた年であります。遠隔地だったので、不安も大きかったんですが、病院の公式ラインアカウントまでつくって連絡をなるべく密にとれるようにしたうえで診療開始。ラインって超便利。写真や動画を簡単に送って頂けるもんで、情報共有がしやすいんですよ。もっと早くつくればよかった・・・・。ラインがそのままカルテになるような利便性があります。

 治療開始後、しばらくしたら連絡が途絶えがちに。どうしたかと思っていたんですが、年末連絡をいただいて、ええ~~、思ってたよりか、全然よくなってるじゃないですか!ちょっと驚き。大体「便りのないのは良い知らせ」が医療では当てはまることが多いんですが、その通りになりつつあるようで、一安心。引き続き、経過をしっかり診れたら良いなあと。その方のご了承を得られれば、当ブログ等で写真等公開できるかもしれません。

 という事で、病院のライン公式アカウントは @635vdahj クラムボン動物病院 でございます。ご相談がある方はご利用ください。

 ちなみに、 当協会のライン公式アカウントもつくってみました。 @522rxshp 日本ビットレスブライドル協会 です。こちらの運用は悩み中ではありますが・・・・・・。ハミなし頭絡の情報も発信したいのですが、どんな情報が需要があるのか、お知らせいただけますと、幸いです。 


蹄の状況変化と跛行の関係

2022年11月20日 | 裸蹄管理

 そもそも、正常な蹄って多分こうなってます。

最初できたての蹄組織はそんなにガチガチにはなっていないと思う。しかし、あの巨体を支えている内にどんどん圧縮されて、蹄底に達する頃にはガチゴチになるはず、なんです、本来。野生動物の宥蹄動物(ホントにすごく多いですよね、生息域も幅広い)が、誰一人削蹄師なんぞ必要としていないのは、体重によって蹄がいい感じに固まる削れた分だけちょこっと伸びる、を繰り返しているから。元来そうそう伸びるもんじゃない、というのも抑えるべきポイントだと思います。野生だと運動量が多いから、すぐ削れちゃうから、伸びないんだ、というのは間違いです。

 しかし、例えば濃厚飼料を多給してしまうと、こんな現象が起きたりします。栄養過多のせいで伸びが速すぎて、蹄底を支えられるような硬さになる以前に蹄底に組織が到達してしまうもんで、蹄尖がやたら伸びまくる(ロングトー)。

で、こうした蹄組織の虚弱化が更に深刻になるのが爪水虫。その場合、ロングトーの傾向は顕著になります。だって蹄の組織が食い荒らされてボロボロになってしまうから。こんな感じ。蹄病にはあーだこーだ色々な病名が付いてますけど、結局仕組みは同じで、それぞれの馬の蹄質の一番弱い場所が重点的にやられます。だから、白線が弱ければ白線病・蹄壁が弱くなれば裂蹄・その直下なら蟻道・蹄叉なら蹄叉腐乱、まあなんでもありですが、全て爪水虫が原因で、それを助長するのが濃厚飼料と蹄鉄、となります。

 

 

 で、爪水虫を退治するために抗真菌剤を長期間飲ませるわけですが、そうすると、こうなります。

 抗真菌薬は爪組織に入り込んで定着し、真菌のこれ以上の増殖を抑えてはくれますが、どこもかしこも均一に浸潤するわけではない。恐らく分布域にムラが生じている筈です。真菌側からすると、生存可能域がじりじり減る、もんだから、とにかく生きられそうな場所に集中して増殖しようとします。その部分はどうなるかというと、ビックリするくらいふにゃふにゃになってしまう。または、ガサガサになる。例としては、こんな感じ

これは今年7月頃の左前肢蹄外側ですが、がっさがさで裂蹄が酷い。この部分をハサミで切ると簡単に切れてしまう。ゴム状になっていた箇所までありました。そのくせ蹄尖はやけにがっちりしています。側面への真菌薬浸潤が不足している一方、蹄尖には潤沢に真菌薬が分布しているんでしょう。

 ここまで蹄の状況がアンバランスだと、そりゃあ内部に炎症の一つや二つ起きます。しかも、蹄の上部は蹄質が良くなっているので、要は木靴の中で腫れた足、状況。ちょっとの炎症でもめっちゃ痛くなる。

 これに近いのは、二日酔いの時の頭痛。あれ、脳浮腫なんだそうですが、頭蓋骨ががっちりしてますから、わずかな浮腫でもめっちゃ頭が痛くなる。同じことでしょう。でもねえ、それがあの巨体の足元なんだから。可哀そうだ。。。。

もう一つ、真菌が最も派手に活躍できるのが「高温&多湿」。日本では梅雨時で、大体その頃に蹄の状況が悪化するケースが多いと思うんですが、ジメジメ&高温のせいで真菌が増殖しやすくなるわけ。梅雨時の風呂場と同じこと。

 今回は、蹄の状況がアンバランスな時期がたまたま梅雨時に重なっていたのが大きそうなんです。となると、今は寒くなってるからいいけど、また来年はどうなるやら・・・・。この寒い時期に完全駆逐できるといいんですが。 

 


跛行が落ち着かないので、更に色々考えて実践

2022年10月05日 | 裸蹄管理

 この数か月、とにかく跛行が収まらない、一時期は常歩も嫌がる事態になって、いや~~~~~、もう、どないすべえか、と思いつつ、しかし、更に考察し続けて、ようやく落ち着いてきてくれました。今度こそは、後戻りしないでほしい~~。多分大丈夫だと思いますが。

 結局、時間=薬なんだな、と理解したんですが、それもこれも、基本的な治療をきっちりやってきてこその話だと。

 それほどに、爪水虫というのは怖い病気なのだ、という事でもあります。

 しかし、こっちも新兵器も手に入れてたし。やはり、戦うには武器が必要で、なるべく高性能な奴が望ましい。

 具体的に、クラブを移籍してからどうなっていたかといいますと。

 最初の頃はよかったです。移籍数日程度で体調がよくなったのが分かりましたもの。なんやかやいっても、環境がよくなくちゃどうもならんという事か~~。

 で、3月頃からおかしくなってきた。当時は、削蹄が入るたびにひどくなるもんで、一瞬削蹄法が悪いのでは、という考えに傾きかけてたんですけど、そんな筈ないんですよ。むしろ、「削蹄」=蹄に対する刺激という奴で、削蹄法に関わらず、刺激を食らって調子が悪くなっていたのだな、と、今となっては理解できるんですが・・・・・。

 そこから一進二退、じりじり悪くなる。もうあれこれ考えました。なにしろ自己免疫疾患(血小板減少症)もやってる人だから油断ならない。4~5月頃は、杉の木が多い場所なので、ひょっとして花粉症?とか、「リウマチ性多発性筋痛症」のようなものか、とか、あれこれ仮診断を付けてはみたものの、ぱっとしない。自己免疫性疾患の一種なのかなあとか思ってたんですけど、ハズレ。

 2022 6 12 速歩

 この辺から、こうしたヘンな跛行が出始めてます。どうも、花粉症とかの自己免疫疾患のたぐいではなさそう・・・・・。

2022 7 23 速歩

 なーんか、辛そう。この後、状況が悪化して乗り運動ができなくなりました。7月後半以降は常歩も嫌がる事態に。鼻水まで出始めて。もう~~、どうなるんだよ~~。

 もう花粉症の時期は過ぎたから、花粉症ではない。鼻水ってことは、まーた腺疫が復活したのか?ということで、やむなく投薬開始。まずは十味敗毒湯を使って、更にメロキシカム・ビクタスを使う。ビクタスは結局1か月半、十味敗毒湯は2か月くらい飲ませてましたっけ。腺疫ってかなり怖い感染症だと思います。撲滅すべきじゃないかと思うんだけど。リンパ節に入り込む病原体にはろくなのがない。なかなか免疫でやっつけられないんですよね。8月中はほぼ、手入れ&丸馬場で状況観察って感じでした。

 成果はそれなりにあったんです。鼻水は出なくなったし。跛行はどうかというと、ぱっとしない。二進一退って感じ。

 蹄ですが。削蹄時に細かく要求を出すことにしました。とにかく蹄底を一切いじらない・ヤスリを使わない・蹄叉をいじらない・でもらう。つまり、極力蹄に力をかけない、雑に仕事してください、ということです。削蹄師さんは全く納得してないだろうと思うんですがね、オーナーは、こちらですんで。

 ちょっとずつ良くなってきて、9月に入ってから、グッと回復。やれやれ。

 で、この頃から、ほぼほぼ診断が「爪水虫の影響によるもの」と確定できました。きちんと回復し続けていたのに(蹄の外観はどんどん良くなっていたのに)なぜ状況が悪化したのか?これは次回解説します。

2022 9 25 速歩

 10月から、久しぶりの障碍。この程度は本来たやすいんですが。時間がかかりましたなあ~~。でも、本人も嬉しそうだから。健康になってくれれば、元来運動を嫌がるはずないんですよ。

2022 10 02 速歩&クロスバー


自撮り動画を撮るのが大変、という話

2022年04月15日 | 馬とヒトのトレーニング

 移籍先でガンガン動画を撮って遊ぶぞ~~~、と思って、全くうまくいかず、最近まで苦戦してました。

 といいますか、自撮り動画をとるアイテムってどうしたもんでしょう?から始まってました。

 おかしなことに、移籍した頃から、今まで重宝してたアイテムがこぞって壊れる事態になんでやねん?まあ、ちょうど寿命が来た、ということなんでしょうか?でもねえ、それなりにお金がかかっていたのだぞ~~。

 自撮り機のはしりといえば、soloshot。1・2を経て3が今出てます。

移籍前は、基本これで撮影してました。これがクラファンで取り上げられた時に待ってました!と予約して、全く音沙汰なく2年以上待たされて、やっとこさやってきたら初期設定がめちゃ難しい・・・・・・。おまけに、クラファンでの購入者にはサポートが付きません、という、開発に協力した、はずなのになんという仕打ちでしょうか。。。
 それなりに5年程度働いてくれはしました。しかし、じりじり調子が悪くなり~~~、5年経過してとうとう充電すらできなくなってしまった。画質もいいし、初期設定さえクリアすれば、後はまあまあ仕事してくれてたんですが・・・・・。

 次にどうしたものか?考えあぐねていたら、PIVOというものが出てきました。

 

安いし、勧めている方もいるし、乗馬モードというものがあるし、どうかなあと思って購入してみたものの。。。。追尾する距離でつまずいてしまった。追尾距離10m程度。こうなると、広い馬場で運動している自分たちには合わない。追いきれないようなんです。狭目の馬場や丸馬場なんかでは有効そうなんですが・・・・。

 使い勝手がよさげにみえたのが、PIXEM。国内ではアマゾンにしかないし、アマゾンではめっちゃ高い。やむなく海外に発注しました。まだ、今ほど円安じゃなかったからよかったですが。不安でしたが・・・・。

 しか~~し、使い方はなかなか慣れず。。。。慣れてしまうと簡単に感じるんですが。この雲台の特徴は、結界を張って中で動くものをトラッキングする仕組みなので、屋内でも使える点でしょうか。

 この辺、かなり苦労したので、その動画を作ってみました。乗馬というか、馬術は、他人様から見てどうなのか、という評価競技(特に馬場は)なので、とにかく自分を撮影して客観的に見る方が得点は上がるんじゃないでしょうか?

自撮り機レビュー

PIXEMの使い方

あと、PIVOについて、紹介動画を。

乗馬・馬術を楽しむ。速歩も駈歩もok  PIVOは乗馬に使える!馬を認識して自動追尾、オートズーム、動画撮影システム PIVOレビュー