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ブックカバーには
「『大日本帝国80年の軌跡を8人の碩学の最新研究で学びなおす!』当初から朝鮮支配を意図し,計画的に大陸中国を侵略して,軍部の無謀な暴走の末に対米戦が不可避となった,というのは本当か?日新日露戦争から第一次大戦,満州・品事変を経て,先の戦争に至るまで,当事者たちがどんな決断を下したのか,それぞれの開戦過程を各分野の第一人者が実証的に語る「近現代史」連載講義。」
という概要が記載されています。
期待して読み進みました。
序章は,「1945年の敗戦から間もなく80年になろうとしている。この戦後80年は明治維新(1868年)から敗戦までの長さにほぼ匹敵するが,戦前と戦後の80年における日本の歩みは対照的である。」
という記載から始まります。
確かに振り返ってみればその通りで,大半の日本人はその後半しか体験していないんですよね。
そして今,ウクライナ,ガザでの悲惨な出来事を始め,各地で紛争が起こっています。
我々平和ボケした日本人は,日清戦争から対米戦まで日本が経験した戦争を改めて振り返り,そして二度と同じ過ちを犯さないように,自分に出来ることは何か,一人ひとりが考えて実行することが必要です。
天皇の責任問題など,異論もあると思いますが,ぜひ若い人に読んでいただきたい一冊です。
文中で面白いなと思った文章(154p)
「横浜が1945年5月末の空襲で焼かれたときに,昔のことを覚えていた老人が『震災の後,アメリカに金を借りて復興できたことを忘れてアメリカにケンカを売るからこういうことになったんだ』と新聞に投書した。」
笑い話のようですが,どこか的を得ていますよね。
しかし,この本を読んで,以下の二か所訂正していただきたい箇所があります。
図1 現行憲法における政治システム(163p)
図2に明治憲法における政治システムの図解があります。
それが新憲法に切り替わったのですが,一番大きな変更は,「明治憲法では最上段にいた天皇が,新憲法では国民主権により,国民に入れ替わったこと」なのに,この図では最上段に内閣総理大臣がいて,国民は明治憲法と変わらずに最下段にいるのです。
第5章の森山優という人は憲法を勉強する必要があります。