
東京五輪は国立競技場の設計変更に始まり,招致をめぐっては贈賄の捜査が始まり,今もなお裁判が続いています。
開催前からゴタゴタ続きの東京五輪でした。
開催費用もどんぶり勘定だったために大きく跳ね上がったことを思い出してください。
数々の問題が噴出する中で始まった東京五輪。
そして終了後に発覚した汚職事件はいつ終了を迎えるのか。
本書では,その東京五輪を舞台とした汚職事件を追った,読売新聞社会部記者のスクープに至る潜行取材の舞台裏,事件の経過,法廷での動きなどが記載されています。
そして,読み進んで208Pの最初の8行がこの事件のすべてが述べられています。
「受託収賄罪で起訴された大会組織委員会の元理事高橋治之被告は,取材の記者に『僕がトップ外交で話をつけた』とスポンサー集めの「功績」を誇らしげに語った。」
全く反省の気持ちはないのです。
公的な立場でありながら,AOKIやKADOKAWAなどの特定企業の五輪事業参入に動いて賄賂を受け取ったことに後ろめたい気持ちはなかったのか。
高橋被告にその職を授けた森元首相や組織委員会の幹部,電通社員も責任を免れることはできないでしょう。
第3回公判が東京地裁でありましたが,弁護側の冒頭陳述で、「理事としてスポンサー集めを任された事実はなく,受け取った金銭は民間のコンサルティング業者としての報酬だ」として改めて無罪を訴えています。
国民は裁判の行方をしっかり見届ける必要がありますね。