ブックカバーの折り返しの裏面に,本書の内容として以下の記載があります。
「商売の原初の形態と言えるテキヤの露天だが,消滅の危機にある。暴走する暴排条例によって,やくざとは違う,反射でない組織も排除されているのだ。そもそも薄利の品を祭で売る,縁日を支える人たちはどのように商売をし,どう生活しているのか?業界の課題は何か?テキヤ経験を有す研究者がオーラルヒストリーを通じ,縁日の裏面史を浮き彫りにする」
興味を持って読み始めたのだけど,期待外れの一冊でした。
著者が言うようにテキヤとやくざは違うというのが本来の姿でしょう。
しかし,本文を読むとどうもその辺があいまいです。
自ずから線引きすることができれば,暴排条例とは縁がないと言い切れるのだろうけど。
また,本文の構成が,「元世話人の回想」,「帳元の娘の回想」など,聞き取ったことを130ページにも渡って記載しているのだけど,文章がお粗末です。
「裏社会用語一覧」もほとんどが不要です。
ひとつだけ,なるほどと思ったのが「ショバ」という言葉の語源。
「場所」という言葉を逆さにして「ショバ」。
これは知らなかった。
また,他人の文献を,これでもかというほど引用しているのもどうかと思いました。
「と聞きました」「らしいです」「・・・と呼ばれているそうです」などと自信のない書き方のオンパレード。
久しぶりにつまらない本に出合いました。
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