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奈良に限らず、本当の良さがわからなくなって、形式的に大切にしているだけだという気がする。そうしたところで国が貧乏するわけでもないから、軽くみているのではないだろうか。
しかし、これは例えば皮膚が傷ついてそこなわれるようなもので、心臓や肺のような内蔵部でないからかまわないように見えるけれども、皮膚から細菌がいくらでもはいり、ついには内蔵を侵すようになる。映画や小説を通じて悪質の趣味が侵入すると人の心は腐敗し、それは死に直結する。
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岡潔集 第1巻
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このご本を初め手にした頃は、意味が分かりにくかったですが、近頃読み返しますと
突き刺さります。
この一節も奈良だけでなく、何事にも通ずる危機感を感じずにはおれません。
こんな凄いご本を寝床で布団に潜って読書している私は不謹慎でしょうか(^-^)
