今朝の新聞土曜版「街のB級言葉図鑑」(飯間浩明)は
「悉皆」。悉く、皆、よって「みんな全部」の意で読みは
シッカイ。今ではほとんど死語ではないだろうか。
「悉皆成仏」など元は仏教用語というが、飯沼氏は街の
きもの屋さんの暖簾で見かけたようだ。その暖簾には、
「染み抜き、丸洗い、着物のことなら何でもご相談」と
書かれる。
ネットで検索すると、やはりきもの屋さんのHPが出て
来る。それによると、
加賀友禅は三十八もの工程があり、それぞれの職人さん
を回って、最後に問屋さんに届けるのが「悉皆屋さん」と
言われた。
イメージやデザインの相談にも乗り、各工程の品質確認
もして問屋さんに届ける、プロデューサー、ディレクター、
営業マン、そして芸術家であるのが「悉皆屋さん」。
よって、金沢では悉皆屋さんは「しっかりやさん」とも
呼ばれ、「しっかり」の語源とも言う・・・
ということらしい。
「悉皆」は、明治時代には「すっかり」「みんな」とも
読まれ日常語だったという。
嗚呼、明治は遠くなりにけり。
散歩から