9月中旬、北九州市である「偲ぶ会」が開かれた。昨日ここで紹介した、
ホームレス支援のNPO「抱撲」に何らかの拘わりがあった人を偲ぶ会で、
この1年間に亡くなった13人の合同葬儀とも言える。
つながりがあった人から13人に対して、ユーモラスなあるいは辛辣な
「本音の追悼」が語られる。参加者は「俺もこうやって送ってもらえるんだ」
と安心する。
NPO「抱撲」の代表、奥田氏は単身世帯の増加、孤独死などに対する
「家族機能の社会化」を目指す。「なんちゃって家族」の実験である。
偲ぶ会を開いたのは「抱撲」の互助会。ホームレス経験者の会から派生、
ボランティアなどを加えた互助会である。普段は炊き出しや誕生会を行う。
小倉で5年前に売り出された指定暴力団工藤会の本部跡地を「抱撲」が
銀行からの借金で買い取った。「家族機能の社会化」の拠点「希望のまち」
計画である。
福祉協議会、フードバンク、高齢者問題に取り組む団体も「推進協議会」
に名を連ねる。地元経済界も「企業賛同人会」を興して協力している。
構想から5年、建設費高騰で4階建ての計画が3階になったが、3度目の
寄付集め(グランドファンディング)には「希望のまちをあきらめない」
という著名人の応援団も出来た。
「家族機能の社会化」、アホな政治家や行政では「穴だらけ」の社会。
穴を塞ぐ下からのこんな活動もあるんだと紹介する次第である。
(昨日の朝日朝刊「2030SDGs」特集から)
近所の渋い秋色