You can do it!は、君なら出来る、ガンバレ、という意味
だろう。今朝の「折々のことば」(鷲田清一)は、これを、
「競争に勝ち、他人との違いを示し続けなければならない
アメリカでは『不安』の裏返しでもある」という、法律家で
ある阿川尚之の解釈を紹介している。
僕なら出来る、ではなく「やらなくちゃならない」という
悲壮感ということだろうか。
日本国民よ、今日は貴方に「You can do it!」と言おう。
貴方は投票出来るんだではなく、「投票しなくちゃうけない
んだ!」の意味で。
愚かな政治を終わらせるには「賢い」国民が必要である。
昨日まで栃木県西部の三つの観音様を巡って来たが、その
前の茨城県笠間市「佐白観音」の紹介が残っていた。
小雨の中を4キロほど歩いて高館山の西明寺から益子駅に
着いたところ。10時半発の真岡鐡道を逃すと笠間着が2時間
も遅くなるので間に合ってホッとする。
この真岡鐡道は本社のある真岡駅で十数分も途中停車する。
改札は無人だから出入り自由なので駅前に出てみる。駅舎は
SLを模したことが一目でわかる。
車内に戻ると隣のホームに制服姿の幼稚園児が整列し、
上り方向を見つめやがて一斉に拍手を始める。何ごとぞと
見ると「SLもおか号」が近づく。
下館で水戸線に乗り換え、12時ちょうどに笠間駅に着く。
目的地の佐白山観音正寺(佐白観音)は約2キロ、往復で
1時間ほど。2時間後の友部行きまでに戻ろう。
まずは駅前からの真っ直ぐな通りを約1キロ、ずっと先
まで見えているのはキツイものだ。
やっと笠間稲荷神社の角に着き右折する。
菊まつり中の笠間稲荷神社一帯は土曜日のせいか、雨にも
拘わらず賑わってる。若いカップルも多い。
神社前の通りの突き当りが「かさま歴交流館」。笠間と
言えばの老舗旅館「井筒屋本館」跡である。大きな木造の
三階建ては明治中期のもの。
3年前にリニューアルされて、笠間市の施設となった。
「井筒屋」は出身会社のある子会社の社長の実家で、その
子会社の新工場建設の関係で懇意にしていただいた。
また、笠間に建設した別の工場の用地取得にもずいぶんと
ご尽力いただいたという。
この先をクランクすると、佐白山の頂にあった笠間城の
武家町の雰囲気となる。緩やかな上り坂の両側は
右手の大石邸跡は笠間藩主であった浅野氏の家老、大石
良欽(ヨシタカ、内蔵助の祖父)の屋敷跡。浅野氏は赤穂転封
の前は笠間藩主であった。
おや、板東二十三番札観世音寺ではなく「正福寺」の
看板が。昭和の初めに正福寺から観世音寺になったが、
また元に戻ったようである。この歴史は話せば長いので
省略しよう。
石段ではなく丸太と土の階段は、高さも幅も不揃いで、
雨濡れもあって上りにくいがなんとか本堂前に出る。
本堂を撮って、敷石の方向と本堂の向きが微妙にずれて
いることに気が付く。タモリ風に「これは何故?」と思うが
ガイドブックには書かれていない「些細な」ことなのだろう。
この佐白観音はツツジの名所、本堂の右手奥、佐白山
の山麓は広大なツツジ園。その季節でもなく雨も降る。
あっさりと諦めて帰路に就く。
笠間駅への戻りは、笠間郵便局や笠間高校がある国道
355号を歩く。歩道は笠間焼の陶板であろうか、立体感が
ある見事な模様である。
笠間駅に降りた時に気が付いたが、観光や仕事で何度も
訪れている笠間なのに、駅に乗降するのは初めてであった。
観光地の割には小さな駅舎である。
朝方、先日亡くなった「柳家小三治」の追悼番組を観て
いたのでアップがずいぶん遅くなった。
次回から、昨日戻った「栃木三観音」詣でを紹介する。