今の世の中、効率がいいことが求められる。その対極が「無駄」だろう。
その無駄をあえて追及する会社がある。その名も株式会社「無駄」。
社長はまだうら若き29歳の女性。芸人を目指して吉本興業の学校を出て
ピン芸人となったが鳴かず飛ばず。事務所からユーチューブで好きなことを
やってみたらと言われ、自作の実験工作や発明を動画で紹介してブレーク。
ユーチューブ「無駄づくり」のチャンネル登録者、動画再生回数、ツイッ
ターのフォロワー数などがうなぎ上りに増え、海外でも大人気人という。
「世界を変える30歳未満の30人」にも選ばれるというフィーバーぶり。
最近の傑作(商品)は「オンラインミーティング緊急脱出マシーン」。
なかなか抜け出せない「オンライン中」に画面が止まったかのように装う
仕掛けは、画面の中央でぐるぐる回る輪を模したアナログな装置。
今まで作った200以上の作品は、どれも何のために必要なのかと思わせる
ものばかり。「無駄を無駄を思うのは生かし方を知らないだけ」という社長。
好きな言葉は、フランスの化学者、エイブラハム・フレクスナーの
「有用性という言葉を捨てて、人間の精神を解放しよう」
だという。(朝日土曜版「フロントランナー」より)
そういえば我が部屋の、多分死ぬまでに一部しか観ることが出来ない
だろう数千本の古今東西の録画映画。無駄と言えば無駄なものである。
雨でなければ毎日のように眺める日の出。日の出前の茜空は秒単位で
変化するので、江戸川の土手に上がるまでの道中も気が気ではない。