『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』
を読みました。「哲学」は難しいものだというイメージを払拭しようと
いうこともあるのでしょう、ずいぶん前から若い人に向けたさまざまな
哲学に関する本が出版されていますが、哲学者の考え方が詰め込まれて
いながらもわかりやすい本としてはこの本は貴重な存在といえるかも
しれません。文体が軽くて読みやすい上に、ストーリー仕立てになって
いることによりどんどん読みすすめられます。
話のほうは、主人公が17歳の女子高生であり、ニーチェやキルケゴール
などの哲学者たちが現代の京都にやってくるという設定になっています。
そのため、現代の人たちの悩みと哲学者の言葉が結びつき共感できる
部分が数多く出てきます。例えば、ニーチェの「永劫回帰を受け入れる」
とは困難に出会ってもそれは自分が欲したと考えることですが、主人公
アリサの陸上部で怪我をした経験と重ね合わせながら説明されています。
最後には、登場人物ごとのキーワードがまとめられているので、復習も
バッチリできます。そのあと、次に少し専門的な哲学書を読んでみたり、
この本に登場した6人のうち気に入った哲学者の本を読んでみるという
のも面白そうです。
