そのきっかけは『昭和元禄落語心中』。
少し前に漫画を読んだのですが、すでにアニメ化もされているので、
ご存知の方も多いかもしれません。また、ドラマ化が決まっており、
今年10月からはNHKのドラマ10で放送されるそうです。
話のほうは、服役中の強次が慰問で聴いた有楽亭八雲の落語に感動し、
出所後すぐに寄席に向かい弟子入りを申し出るところから始まります。
これまで弟子を取らなかった八雲が弟子入りを許したのは、今は亡き
盟友助六の姿が重なったからなのかもしれません。助六としのぎを
削った若き日のこと、同居する小夏との関係などが次々明かされます。
人間味あふれる描写の中にも、落語の場面はしっかり描かれています。
落語のよいところは、過剰なパフォーマンスがなく、言葉を耳からの
情報のみで頭に場面を思い浮かべること。脳が鍛えられそうですね。
逆に今どきのテレビは、過剰なパフォーマンスに加えてテロップで
文字情報を補足する番組もたくさんあります。いい番組もありますが、
この種の番組ばかり見ていると…、心配になります。
また、日本には戦争はありませんし、殴り合いの喧嘩も見なくなり
ましたが、ネットを含めて「正しい」か「間違い」かの正論をぶつけ
合い、お互い心を傷だらけにしている人を見かけることがあります。
こういうことは落語で言うところの「野暮」なのでしょう。
落語には、心配りをしている場面や人を許す場面などの「粋」な
場面が出てきます。こんな時代だからこそ落語の「粋」を学び身近な
ものにしたいですね。「粋」を身につけることも生きる力のひとつ
なのではないでしょうか。
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