高校生が英文法の理解や定着のためにはどうしたらいいかといつも
考えているのですが、予備校講師の田中健一先生が英語が苦手な
高校生向けの教材を執筆されているとのことで注目していたところ、
新刊を送ってくださいました。「英文法基礎10題ドリル 」です。
僭越ではありますが「こういうところがいいよ!」というところを
紹介したいと思います。先に著者や別の方が書かれていることと
重複するかもしれませんが、書かれているいないに関係なく自分
自身がとくによかったと感じたポイントを書いてみます。
・句と節の章立て
文型、句、節…と章が続き、句は「不定詞」「分詞」など、
節は「関係詞」などで構成されています。
一見すると「助動詞」「不定詞」など文法ごとの区切りだけの
ほうがわかりやすそうです。しかし、苦手な人の多くは文法の
作り方がわからないというより、文構造を見抜けなかったり、
部分的にはわかっているのに訳せないということもあります。
それなら文構造のまとまりごとに学習したほうがよさそうです。
・例文が多彩
無味乾燥な例文よりも印象深いほうがいいですよね。これからの
高校生はこれまでの高校生よりも英文を書くことが増えるので、
身近なテーマや興味深い内容の例文を読みながら書く立場を意識
することにつながるのではないでしょうか。「自分ならこう書く
かな」と考えながら読むこともできます。
・例文の解説やポイントの分量が絶妙
苦手な人向けということで長すぎず短すぎず読みやすいです。
苦手な科目の場合は、文章を読むのでも話を聞くのでも説明が
長すぎるとどんどん意識が遠のいていきます。適度が一番。
・例文に意訳と直訳が併記されている
英文と意訳を見比べても文構造が見えてこないことがあるので、
直訳が併記されているのはありがたいです。英文と直訳を付き
合わせるどこがどういうふうに意訳されたのかを確認することが
できますね。
ただ簡単な問題を並べたり、ただ問題が少なかったりということでは
なく、苦手な人のために工夫がされているのが素晴らしいところです。
この「英文法基礎10題ドリル 」で、文法の学習が部分的なパーツを
身につけるにとどまらず、文構造への意識も高められるとよいですね。
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