自燈明・法燈明の考察

「一人立つ精神」と創価学会

 ここ最近、「オミクロン株」なるものが猛威を振るっています。そんな中でも、私の仕事では必要あれば都内に作業をしに伺います。
 通勤電車は以前ほど混雑していないとは言え、以前の3分の2程度の混雑ぶりで、昨年よりも人の出が多くなっています。しかしそんな中、通勤していても私は幸いなことに感染せずに今日まで来ています。この事から思うこともありますが、それは別の機会に少しまとめてみたいと思っています。

 さて今回は「一人立つ精神」という、創価学会の中でよく語られている言葉と、集団としての創価学会の在り方について少し考えてみたいと思います。

 一人立つ精神。
 この言葉は男子部時代に、創価班という人材Gに居た時に、嫌というほど聞かされた言葉です。この言葉の意味ですが、簡単に言えば他人の言動や、社会の風潮に踊らされる事なく、己の信念で行動できる精神と言っても良いでしょう。
 創価班では「一人立つ精神が大事なんだ!」なんて指導をしながら、求める行動は集団行動であり、結果、どれだけ「一人立つ精神」の醸成に役立っていたのか、今から考えると大いに疑問に思う事です。

 私の創価班の先輩で、この「一人立つ精神」を体現している人がいましたが、この先輩は常に自分で考えた行動を取るので、当時の創価班や男子部の組織では、いつも手を焼いていました。しかしその先輩は常に自分の行動は、池田氏の指導をもとに、自分で考えていましたので、組織幹部も諦めて何も言いませんでした。
 この先輩を見ていて私などは、こういう行動を取れるようになりたいと、常に思っていたのですが、得てしてこういう行動を取る人と言うのは、組織から指導という圧力やハブられる傾向があり、それを受け切る自信の無かった私は、同じ様な行動を当時、取ることは出来ませんでした。

 この先輩は壮年部に移った後、役職(当時は広宣長でしたが)を解任され、それでもパワフルに様々な事に活躍していたので、私にとって未だに良き手本の一つになっています。またかく言う私も壮年部となり、己の信念に基づく言動から、めでたく創価学会の活動の場から去ることが出来たのです。

 思うに池田氏は「一人立つ精神」と言ってましたが、これを貫くと今の創価学会の組織体制や、その組織文化から考えると、結果として人材流出になる事を、一体どう考えていたのでしょうか。

 簡単に言えば「一人立つ」という事は、他者や組織に依存することはなく、自分自身の精神力で、己の考えた道を突き進むという事になります。そこには組織に対する阿諛はありません。そうなると創価学会で言う所の「異体同心」なんて事にはならなくなります。

 このあたりの矛盾性について、明確な方針なり指導なんて聞いたことがありません。

 私は信仰者というのは「一人立つ」存在だと思っています。これは自分の内に秘めた信念をもとに、自分の行動は自分で責任を取る。けして第三者の責任に転嫁しない。そういう人だと思うのです。
 そしてそんな信仰者の組織があるとすれば、それはごく薄い繋がりであるべきであって、そこには組織依存もなければ組織的な拘束も必要無いと思います。ただそこの組織にあるのは、互いに触発しあえる関係性が維持出来れば良いという程度のものだと思うのです。

 私が活動を離れた後、色んな人から聞かれた事があります。それは。

「学会活動を離れたら、どの様に信心したら良いでしょうか」
「創価学会を離れたら、自行化他はどの様に行えば良いのでしょうか」

 こんな様な質問が多くありました。
 私からすれば、先ずは自分の頭で考えろという事です。その為に御書があるのでは無いかと言うことです。そして御書を読む中で、自分はこの様に思う、自分はこの様に考える、だからこの様に行動しょうと思う。それがあってから、様々な議論も可能になるという事だと思うのです。

 でもこの様な行動を取れる人は極めて少なく、どちらかというと、誰かから指導されないと安心できない人が、創価学会に長年関わった人には多いようです。

 これはネットに見られる創価学会の活動家にも多い傾向ですね。書き込む文章がかなり稚拙な内容であったり、意味不明な内容であっても「互いに創価学会の組織人」という関係性により、互いに依存し合う心情が文書に滲み出ていて、見ているこちらとしては、とても気持ち悪いものがあります。

 この「一人立つ精神」を表現する言葉で「羊千匹より獅子一匹」という言葉があり、ここで言う「獅子一匹」こそが「一人立つ精神」を持つ人の立ち位置なのかもしれません。そうなると、それを多く育成していくと、やはり組織としての創価学会は、今の形態は取りえませんよね。

 でも私は自分自身の人生、自分の責任で生きていきたいので、これからも「一人立つ精神」について、考え続けていきたいと思っています。


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