英総選挙、ジョンソン首相が地滑り的勝利 1月末EU離脱を宣言
[アクスブリッジ(英イングランド)/ロンドン 13日 ロイター] - ジョンソン英首相は13日、
総選挙で保守党政府は英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の完遂を付託されたと述べ、
事実上の勝利宣言を行った。来年1月31日にEUを離脱するとあらためて表明、市場では、
秩序だったEU離脱はほぼ確実との見方が広がり、ポンドは対ドルで一時19カ月ぶり高値をつけた。
英ロンドンのBBCの建物に表示された総選挙の出口調査の結果。ボリス・ジョンソン首相率いる与党・保守党は獲得議席が368議席、
ジェレミー・コービン氏が率いる最大野党・労働党は191議席と示されている(2019年12月12日撮影)
ジョンソン首相率いる与党・保守党は総選挙で圧勝。
獲得議席は、2議席が確定していない状況で、保守党が363議席と、前回選挙から47議席上積みし、
単独過半数に必要な326議席を上回り地滑り的勝利を収めた。一方最大野党の労働党は59議席
減らして203議席。スコットランド民族党は13議席増やして48議席、自由民主党は1議席減の
11議席となっている。
野党・労働党のコービン党首は、「非常に失望的な夜」と述べて事実上の敗北を宣言。次の総選挙で
同党を率いることはないと表明した。
ジョンソン首相は、自身の当選が決定した後「現段階で、保守党政府はブレグジットの完遂という
新たな付託を受けたようだ。ブレグジットを成し遂げるだけでなく、国を結束させ前進させることを
託された」と述べた。
「今回の選挙は歴史的な選挙になる。新政府は、英国民の民主的意思を尊重し、この国を良い方向に
変え、全国民の可能性をひきだす生かす機会を与えられた」と指摘。
「それが、われわれがこれから行うことになる。出口調査が示唆する通り、われわれが引き続き政権を
運営できるのであれば、それはきょうから始まる」と語った。
その後、支持者に対し「1月31日にEUを離脱する。もしも(if)も、しかし(but)も、たぶん
(maybe)もなしだ」と呼びかけた。
ポンドは対ドルGBP=D3で一時2.5%上昇し1.3516ドルと、2018年5月以来の高値を
つけた。
対ユーロEURGBP=D3でも一時2%超上昇し82.80ペンスと、EU離脱を決定した国民投票の
直後となる2016年7月以来の高値をつけた。
IMAXエクスチェンジの通貨ストラテジスト、ジョエル・クルーガー氏は「今後、市場の注目は、
将来のEUとの関係に移り、ポンドは1.35─1.37ドルが当面の天井になるだろう」と述べた。
UBPのグローバルFX戦略責任者ピーター・キンセラ氏は、ポンドの上昇は、コービン氏率いる
労働党が勝利しない情勢となったこと、与党・保守党の躍進ぶりを好感したと指摘した。
FTSE100株価指数先物FFIc1は0.2%高。FTSE100指数の構成銘柄には輸出関連企業が
多く含まれ、ポンドが上昇すると、下落することが多い。