李克強首相の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)閉幕後の記者会見です。この記者会見で産経新聞は外されました。
中国、米国との貿易戦争は望まず=李首相
【北京】中国の李克強首相は15日、米国との貿易戦争は望まないとした上で、米中関係について楽観的な見方を示した。
全国人民代表大会(全人代、国会に相当)閉幕後の記者会見で李首相は、貿易戦争は公正な貿易の促進につながらないとし、その影響は主に米国をはじめとする海外の企業に及ぶだろうと述べた。
また、中国側には人民元を安値に誘導することで輸出を促す意図はないと述べた。ドナルド・トランプ米大統領は中国を為替操作国に認定して中国からの輸入品に45%の関税をかける可能性があると警告している。
李首相は人民元相場について、今後も基本的には安定を保っていくとの考えを表明。中国の外貨準備高は輸入代金の支払いや短期対外債務の返済に十分対応できる規模だと述べた。
中国の成長率目標(2017年は6.5%程度)が低いとの見方が出ていることについては、この目標は低くもなければ達成が容易なものでもないと指摘。中国は中・高水準の経済成長を維持し、世界経済の主要な原動力であり続けることが当面可能だと述べた。
李首相によると、政府は雇用創出を優先する方針。過剰設備を抱える業界の雇用削減や経済成長の減速によって大量の失業者が生まれる事態は避けたいとの考えを示した。
中国の金融セクターについては、総じて安全でシステミックリスクとは無縁だと述べた。
中国、南シナ海の平和と安定の維持望む=李克強首相
[北京 15日 ロイター] - 中国の李克強首相は15日、南シナ海の平和と安定の維持を望むと表明し、南シナ海の安定に向けた「行動規範」を巡る東南アジア諸国連合(ASEAN)との協議を進める考えを示した。
全国人民代表大会(全人代)閉幕時の記者会見で述べた。
李首相は行動規範について、「かなりの進展」を遂げたと評価した。
その上で、南シナ海の問題は「直接関与している国のみで決定・解決するべき」問題であるとの立場をあらためて表明。具体的な言及は避けつつ、「冷戦時代の思考でどちら側を支持するか選ぶ国が出ることは望まない」と述べた。
南シナ海を巡っては、米国が中国による人工島造成や軍事施設建設を批判し、航行の自由を脅かす恐れがあると懸念を表明している。
李首相は米中関係について、アジア太平洋地域で協力分野を拡大し、ASEAN諸国に機会を提供することが可能との認識を示した。
南シナ海を巡る米国の立場には直接言及しなかった。