中国、コロナ対策正当化へ白書 「中国は被害国」 「汚名着せるな」米けん制
2020年06月07日21時08分 時事通信
7日、北京で開いた記者会見で、白書を示す徐麟・中国国務院新聞弁公室主任(EPA時事)
【北京時事】中国政府は7日、記者会見を開き、新型コロナウイルスに関する初の
白書を発表した。中国のこれまでの対策を正当化し、「中国が比較的短期間にまん延を
抑制したのは共産党の強力な指導による」と自賛する内容だ。
初動の遅れや情報隠しが世界中の感染拡大を招いたという国際的批判に反論し、
「中国に汚名を着せることや政治化に断固反対する」とトランプ米政権を念頭に
けん制した。
白書は「中国はウイルスの被害国で、世界的なウイルス対策の貢献国。公正な対応を
受けるべきであって非難されるべきではない」と主張。国際社会に情報を適時公開した
という立場を繰り返した上で、「責任転嫁によって自身の問題を隠すのは無責任で
不道徳だ」と米国を暗に批判した。賠償請求も「絶対に受け付けない」と退けた。
昨年12月27日に湖北省武漢市で最初の「原因不明の肺炎」が報告されて以降、
今年5月下旬までの日ごとの対応を時系列で記載。この中でも特に米国を名指しして、
1月4日以降、繰り返し情報交換したことを明記した。
「習近平総書記が自ら指揮・手配した」(徐麟・国務院新聞弁公室主任)と
リーダーシップを宣伝するため、習氏の指示も時系列で詳述した。