「ウラン秘密施設を稼働」米国務長官、北を追及
プルトニウムとともに核爆弾の原料となる高濃縮ウランの生産をめぐっては、米専門家に2010年に公開された
北西部寧辺(ヨンビョン)の施設以外は実態が不明だ。北朝鮮が非核化に着手しても申告、検証段階で秘密施設が
問題となる可能性がある。ポンペオ氏はさらに「濃縮ウランの生産を増やしている。核施設と核弾頭を
隠蔽(いんぺい)している。(北東部の咸鏡南道(ハムギョンナムド))咸興(ハムフン)でミサイル工場の
拡張工事中との情報があるが、米朝関係にとって良いことではない」とただした。
金英哲氏は「全て事実ではない。我々は隠蔽したり、(秘密のウラン濃縮施設を)稼働させたりしたこともない。
咸興のミサイル工場で行われているのは、拡張工事ではなく梅雨に備えた工事だ」と反論し、全面否定したという。
北朝鮮外務省報道官は7日、会談での米国の態度は「遺憾極まりない」と非難する談話を発表している。
米専門家の間では、北朝鮮には、寧辺以外に一つか二つの秘密のウラン濃縮施設があるとの見方が有力だ。
米紙ワシントン・ポストは6月30日、米情報当局が10年に「カンソン」という名のウラン濃縮施設の存在を
突き止め、寧辺のウラン濃縮施設の倍の能力を持つとみていると報じている。カンソンの詳細は不明だが、
平壌近郊の平安南道(ピョンアンナムド)南浦(ナムポ)市近隣の地名または施設名との見方がある。
ポンペオ氏はこれまでの諜報(ちょうほう)活動を基に、特定の施設について追及した可能性がある。
ポンペオ氏は会談で、米国の忍耐には限りがあるとして非核化措置の早期着手を迫った。
金英哲氏は、非核化の意思を改めて強調しつつも非核化の工程表は提出せず、朝鮮戦争(1950~53年)の
終戦宣言の早期発表を求めたという。
ポンペオ氏は訪朝後、トランプ米大統領に結果を報告した。トランプ氏は、このまま米朝交渉を続けるか、
圧力を強めるべきか意見を求め、ポンペオ氏は、判断にはもうしばらく時間が必要との認識を示したという。