中国の遺伝子操作に広がる不安、被験者は行方知れず
だが、そうした治験の一つで、DNAが操作された複数の患者と連絡が取れなくなっていることが、
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の取材で明らかになった。欧米の科学者は、何年にもわたって
被験者をモニターする必要があるとみており、状況を憂慮している。
別の治験を受けたインド人男性は、がんの症状が改善したものの、心臓まひと脳卒中に襲われた。
死亡したその男性の家族によると、中国の医師らは原因を調査しなかったという。
中国の保健当局はここへ来て初めて、CRISPR技術を用いたこうした治験に厳しい視線を向け始めている。
中国では先月、遺伝子編集について賛否両論を巻き起こす発表が行われ、同国が十分な規制や監視体制を
備えているかを巡り、国際社会に懸念が広がった。
CRISPR技術による治験に関わった3人の医師はWSJに対し、治験の詳細について数週間前に当局から
問い合わせを受けたと語った。政府当局はコメント要請に応じていない。