ロンドン西部の高層公営住宅が炎上、複数死亡と
2017年6月14日14時 BBC
ロンドン西部の公営住宅で14日未明、24階建120戸のタワー棟から出火し、大火災となった。多くの住民が建物から
出られない状態だとの情報もある。ロンドン救急サービスによると、30人を病院に搬送した。消防当局は「複数の死者」
が出ていると発表した。
ロンドン警視庁によると、公営住宅「ランカスター・ウェスト・エステート」のグレンフェル・タワーから14日午前零時54分
(日本時間同8時54分)に、火災通報があった。「様々なけが」をした住民を救護しているという。午前4時の時点で警察
は、「タワー棟からの避難が続いている」と話した。
BBCのアンディ・ムーア記者によると、建物全体に火が回っているように見え、建物が崩壊する懸念が出ているという。
BBCのサイモン・リーダーマン記者は、「相当の人数」が行方不明だと話す。燃えるタワー棟が「何キロも先」から見えた
と言う。
ロンドン消防局は、消防車40台、消防士約200人が消火活動に取り組んでいると説明した。
目撃者によると、上層階では懐中電灯か携帯電話のものと思われる光が見えた。タワー棟は「全焼に近い」という。
ロンドン救急サービスは、救急車20台が現場に急行したと明らかにした。危険な環境での応急処置に特別に訓練され
た医師たちを派遣したという。
ロンドン地下鉄は、火災の影響でエッジウェア通り駅とハマースミス駅の間の路線を、一時運行停止にしたと発表した。
ムーア記者は、「建物から破片が落ちるのが見える。爆発やガラスが割れる音が聞こえる」、「建物の崩壊を恐れて、
警察はどんどん立ち入り禁止の範囲を拡大し、住民や報道陣をタワー棟から遠ざけている」と話す。
英チャンネル4のジョージ・クラーク司会者はBBCラジオに対して、「100メートル離れているが、全身がすっかりすすま
みれだ。それくらいひどい」と話した。
「ひどい話だ。一番上の階で誰かが懐中電灯を点滅させているのが見えた。脱出できないのだと思う」
現場にいたジョディー・マーティンさんは、火事だと気づき、手伝おうと建物に向かって走ったと話す。「外に出ろ、外に出
ろ」と叫んだが、住民たちは廊下に煙が充満していて出られないのだと叫び返していたという。
現場にいたティム・ダウニーさんはBBCに、タワー棟の一部が「完全に焼失した」と話した。「建物の中心部まで完全に
燃えてしまった。ひどい様子だ。本当にひどい。こんなのは見たことがない。凄まじい大火事だ。建物全体がボロボロ崩
れ出していて、黒煙が立ち上っている」。
建物を管理するケンジントン・チェルシー地区の行政事務所によると、タワー棟は24階建てで120戸が入っている。
1974年竣工で、2年間にわたる予算1000万ポンドの大規模修繕を昨年終えたばかり。外装や全館共通の暖房システ
ムを新しくしたあという。
地元の住民団体は2013年以来、タワー棟で火災が起きる危険が高く、救急車両が入りにくいことが問題だと指摘して
いた。
ロンドン西部の高層住宅から出火 24階120戸(BBC)
ロンドン高層住宅火災 朝も消火活動続き(BBC)
(英語記事 Fire engulfs Grenfell tower block in west London)