中国・習主席「国賓来日・長期政権」は絶望的!? 「新型肺炎」急拡大…世界各国は武漢から自国民大脱出へ 識者「クーデターもあり得る…習氏は絶体絶命か」
2020.1.27 夕刊フジ
中国湖北省武漢市で発生した、新型コロナウイルスによる肺炎の感染が急拡大している。
27日朝時点で、中国本土での感染者は2700人以上、死者は計80人とされるが、
武漢市長は患者数が近く1000人前後増え、3000人を超える可能性を明らかにした。
まさに、「パンデミック(感染爆発)」寸前で、「感染力が増強している」との
指摘もある。日本政府は、現地に滞在する日本人の希望者全員を、28日にもチャーター機
を使って帰国させる。現時点で世界14の国と地域に拡大している新型肺炎だが、
発生国・中国の責任はないのか。
今後の感染拡大次第で、習近平国家主席の「国賓」来日や、長期政権構想も絶望的と
なりそうだ。
「中国政府との調整が整い次第、チャーター機などあらゆる手段を追求して希望者
全員を帰国させる」
安倍晋三首相は26日夕、首相公邸で記者団の取材にこう語った。
外務省によると、湖北省に滞在を登録している在留邦人約710人のうち約430人と
連絡が取れたという。在中国日本大使館は帰国希望調査を開始。「湖北省にいる希望者
全員を帰国させる」と話した。
米国も武漢市にある総領事館の外交官らを28日にチャーター便で米国へ退避させる。
ロシアや韓国も退避方法について中国側と交渉している。世界各国が、武漢から
自国民を大脱出させる意向だ。
背景には、中国政府への不信感がある。
新型肺炎は昨年12月初旬に最初の感染者が出て、インターネット上で「原因不明の
新型肺炎患者が続出」という告発があったが、地元当局は投稿者を取り締まったという。
感染源とされる海鮮市場の閉鎖は今年1月で、習氏が「重要指示」を出したのは
同20日と、あまりにも遅すぎる。
中国政府は27日、世界規模での拡大を阻止するため、海外への団体旅行を禁止
したが、中国人が国内外を大移動する「春節(旧正月)」の大型連休は24日から
始まっている。
すでに日本にも多数の中国人が来ており、武漢市から旅行で訪れた40代男性が
26日、新たに感染が確認された。日本では4例目だが、中国本土以外では50人以上が
感染している。
そもそも、中国が公表する感染者数や感染力も疑問視されている。
武漢市長は26日の記者会見で、1000人前後の発症者が今後新たに確認される
可能性があると表明したのだ。治療中の疑い事例の人数などから推定したというが、
一体どういう数え方をしているのか。
中国国家衛生健康委員会の馬暁偉主任は26日の記者会見で、新型コロナウイルスは
「感染力がやや増強している」と語った。会見に出席した専門家は現時点でのウイルスの
変異は否定したが、別の関係者は「感染規模は、2002年から03年にかけて、
中国から世界に広まったSARS(重症急性呼吸器症候群)を超えている。
変異の可能性もある」との見方も。
SARSは、全世界で8000人以上が感染し、800人を超える死者が出ている。
中国発の「パンデミック」となり、日本をはじめ世界各国で多数の感染者や死者が
発生する事態となれば、トップである習氏の責任は免れない。
まず、今春の「国賓」来日は絶望的だろう。
そもそも、ウイグルやチベットでの少数民族弾圧や、香港市民のデモに対する
強権的対応、中国当局による不当な日本人拘束などを受け、保守派を中心に「国賓」
招聘(しょうへい)に反対する声が高まっていた。
新型肺炎で世界中に迷惑をかけておきながら、中国海警局の船3隻が26日、
沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域に侵入した。26日連続という。
日本人はお人よしだが、とても習氏を歓迎する気持ちにはなれない。
習氏の「長期政権」の野望も厳しくなりそうだ。
中国の全国人民代表大会(国会に相当)は18年3月、国家主席の任期を
「2期10年」までとする規制を撤廃する憲法改正案を採択した。これで習氏は
2期目が終わる23年以降も続投できるようになった。習氏が独裁体制を強めると
みられていたが、新型肺炎で分からなくなった。
中国事情に詳しい台湾出身の評論家、黄文雄氏は「中国では、これまでにも数々の
伝染病が発生してきた。歴代王朝には『疫病』によって滅びたケースが多々ある。
明朝も末期に、ペストや天然痘などが大流行して倒れた」と語る。
新型肺炎は、習政権の足元を直撃するのか。
新著『覇権・監視国家-世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)が
話題のノンフィクション作家、河添恵子氏は
「世界の専門家が『新型肺炎の感染は簡単には落ち着かない』と思わせる分析を
出すなか、今春の『国賓』来日は厳しい可能性もある。ただでさえ、中国国内の
経済状況が苦しいのに、初期段階での対応を怠った。隠蔽体質で『人命を疎かにしている』
という点で、世界各国にも攻めどころがある。事態が深刻になれば、閉鎖された武漢
などで暴動が起きたり、反習氏勢力によるクーデターが発生することも考えられる。
習氏は、死ぬか生きるか、絶体絶命のところに来ているのではないか」と語っている。