父、支持者、国家を傷つけた朴大統領
2016年10月26日10時21分 中央日報
朴槿恵(パク・クネ)大統領が失敗で突進している。父の朴正熙(パク・ジョンヒ)、保守支持勢力、そして国家が同伴墜落している。どこで間違ったのか。
朴槿恵は父から多くの恩恵を受けた。大統領になったのも決定的には父のおかげだ。朴正熙の娘でなければ国会議員にもなれなかっただろう。なら、成功した大統領として報いるべきだった。少なくとも問題を起こすべきではなかった。生涯、朴槿恵は父に負担を与えた。
1974年に夫人を亡くした後、朴正熙は試練を迎えた。孤独だった。再婚を勧める人も少なくなかった。アン・ビョンフン氏が書いた対話録に金在淳(キム・ジェスン)元国会議長はこのような証言を残した。「日本の瀬島隆三氏が『必ず再婚するように』という言葉を伝えてほしいと語った。これを伝えたところ、朴大統領はしばらく沈黙した後、『槿恵のため…』と言葉を濁した」。
当時、朴槿恵はファーストレディを楽しんでいた。セマウム奉仕団に担がれて牧師の崔太敏(チェ・テミン)氏とともに全国を回った。行く場所ごとに権力者待遇を受けた。雲の上の20代の娘は60代の父の事情に無関心だった。もし朴槿恵が新しい母にファーストレディを譲歩しようとしていれば、、父は再婚できただろう。そうなれば、多くのことが変わっていたはずだ。大統領の寂しい空間を強硬派警護室長が占めることも、朴正熙が宮井洞(クンジョンドン)の家屋で女性と交わることもなかっただろう。
保守勢力は朴槿恵を献身的に支援した。朴正熙の娘であるため、進歩・左派の執権を阻止するため、金文洙(キム・ムンス)候補・鄭夢準(チョン・モンジュン)候補・李在五(イ・ジェオ)候補よりはるかによく見えたため、朴槿恵を熱情的に後押しした。もちろん朴槿恵の実績も大きかった。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で朴槿恵は国家アイデンティティ闘争を率いた。ハンナラ党を救ったりもした。しかし保守の支持がなかったとすれば、朴槿恵が出てくることはなかっただろう。
朴槿恵は結局、エベレストになった。エベレストが世界最高峰であるのはヒマラヤという山脈に担がれているからだ。しかし大統領になった後、朴槿恵はヒマラヤを忘れた。保守の元老・指導者・言論人・学者・活動家に無関心だった。朴槿恵大統領を作ろうと努力した人のうち「国の心配を一緒にしましょう」という真摯な電話1本を受けた人はほとんどいない。
保守勢力は絶えず忠告した。父のように部下をうまく使い、苦言に耳を傾けるべきだと話した。朴槿恵は聞かなかった。その代わり朴槿恵はおかしな人たちを熱心に登用した。自分を担いでくれる政治家、専門家もよく知らない無資格者、コネだけの無検証教授、大統領選挙で一緒だったという老衰したコメディアン…。
朴槿恵には苦言する部下がほとんどいない。李元鐘(イ・ウォンジョン)秘書室長は崔順実(チェ・スンシル)と大統領が親しい関係ではないと述べた。このようなカカシ室長が政権をどうやって守るのだろうか。大統領は禹柄宇(ウ・ビョンウ)民情首席秘書官が忠実だと考えるかもしれない。しかし本来、ミル・Kスポーツ・崔順実のような事案は民情首席秘書官が監視することだ。何が忠実なのか大統領は知らない。
国家の傷ははるかに深刻だ。指導者には正確な現実認識が命だ。朴大統領は政治家時代、世間のことをよく知らず、すでに国家に大きな被害を与えた。それは世宗(セジョン)市だ。先進国は統合を加速化している。ところがこの国は行政府を遠い場所に分けた。国家行政機能は今、災難のような浪費に苦しんでいる。朴槿恵は李明博(イ・ミョンバク)前大統領の世宗市修正案を受け入れるべきだった。ところがそうはしなかった。「画像会議をすればよい」と言った。
間違った頑固さは執権後さらに激しくなった。国民は活発な疎通を注文した。宮廷から出ろと、ホワイトハウスのように大統領・参謀が自由に集まれと、そして国政を疎通しろと、人事でも声を聞けと…みんなが要請した。こうした声に耳を傾けていれば失敗はかなり減っていたはずだ。セウォル号7時間、MERS(中東呼吸器症候群)混乱、そして崔順実問題のようなものは避けられていたかもしれない。朴槿恵は頑なに拒否した。一人でちっ居した。記者会見も年に1回だ。
大統領の失敗を断定するのはまだ早いかもしれない。功績も少なくない。原則的な対北朝鮮政策、韓米同盟の強化、基礎老人年金と公務員年金の改革、違法スト解体…。そして朴槿恵が成し遂げられなかったの多くことは反対勢力の責任でもある。
しかしこうした功績は特別なものではない。見方によっては当然のことだ。一方、失敗は特異なものだ。多くの国民は声がかれるほど「疎通」を叫んだ。ところが朴槿恵は聞かなかった。傲慢なのか、無知なのか、びくともしなかった。目をつぶった大統領はあちこちにぶつかった。そして崔順実の敷居で倒れている。
朴槿恵大統領は主要10カ国の最初の女性大統領だ。偉大な記録だ。朴正熙が、支持者が、国家が作ってくれた。ところが朴槿恵はむしろ傷を与えている。傷から流れる血は青瓦台の紅葉よりも赤い。