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ナチスを支持するドイツ軍兵士がシリア難民になりすましてテロを計画

2017-05-11 22:58:34 | テロ

ナチスを支持するドイツ軍兵士がシリア難民になりすましてテロを計画

2017年5月11日(木)18時50分   Newsweek
 

<ドイツが連邦軍のスキャンダルに揺れている。テロ計画の容疑者が連邦軍兵士で、調査をしてみると、

ナチス思想を支持していた上に、シリア難民になりすまして「二重生活」を送っていた...>


4月末にテロ計画容疑で逮捕されたドイツ連邦軍将校の取り調べが継続中だが、9日、さらに別の将校が逮捕され、暗

殺標的リストにガウク前大統領やマース法相などの左派政治家が含まれていたことがわかった。


最初に逮捕された将校はまた、シリア難民として難民申請をし「二重生活」を営んでいたことが判明しており、国を支える

組織や制度を巻き込んだ一連のスキャンダルに衝撃が走っている。


シリア難民になりすます

先月末のシュピーゲルの報道によると、フランコ・Aと伝えられる28歳の将校が最初に拘束されたのは今年1月末。

ウィーン国際空港のトイレの送水管で、装填されたピストルが見つかったのがきっかけだった。職員は送水管に警報器

をつけ武器を放置、取りに来たフランコ・Aを取り押さえた。


オーストリア当局がフランコ・Aをドイツ連邦刑事局BKAに受け渡す際に指紋を照合すると、該当した人物はなんとフラン

コ・Aではなく、ダヴィド・ベンヤミンというシリア難民だった。アラビア語は話さず、フランス語も片言であるのに、ダマスカ

スの果物商人の息子でキリスト教徒として、2015年12月から2016年1月にかけて難民申請をし、月400ユーロの補助

金や住居支援を得ていた。 


フランコ・Aの配属はフランス国内だったが、なぜ難民としての生活を続けながら同時に従軍が可能だったのか。BKAは

「フランス配属というだけで、彼が毎日そこに逗留しなければならないというわけではない。非番時には自由に移動でき

ることになっている」と述べていたが(「ツァイト」)、今回、フランコ・Aのフランス不在が問題にならないよう助けていた同

僚もフランスにて拘束された。


泳がせて監視の末、極右グループを発見

BKAは2月17日にフランコ・Aの公式調査を開始していた。通信記録の監視により、彼が極右思想の持ち主であることを

発見。ワッツアップ(ドイツで主流のチャットアプリ)の極右グループでは、外国人を口汚く罵る会話が盛んに交わされて

いたという。しかも、ウィーンでのピストル放置事件の目撃者の一人とされていた兵士が同極右グループの一員である

ことも発覚した。また、2014年にA はフランスの大学にナチス思想を支持する修士論文を提出していた。


BKAは連邦軍に、フランコ・Aに勤務を続けさせて泳がせるよう依頼し、監視を続けた。4月19日にドイツ諜報機関の軍

事保安局MADがフランコ・Aを尋問、またAの同志とされる学生を家宅捜索して爆発物などを見つけ、月末の逮捕に至っ

た。


これまでのところ拘束されているのは3人。イスラム過激派の犯行に見せかけて難民に対する憎悪を煽る目的だったと

思われるが、それは「極右の戦略の要だ」と、極右専門家ハヨ・フンケ氏は言う(フォーカス)。連邦軍兵士による攻撃の

不安も目新しいものではなかったが、これまで考えられていたシナリオでは、紛れ込んだイスラム過激派が国防機密を

持ち出し利用するというものだった。この夏も、MADがIS勧誘員に対する新しいセキュリティを導入する予定だ(シュ

ピーゲル)。


スキャンダルの輪が芋づる式にどこまで広がるかは予測がつかない。暗殺・テロ計画がどれだけ進んでいたのかも不明

だ。MADは現在約280人の軍関係者を調査中といわれている。また、フランコ・Aが難民申請をした2015年末〜2016

年初頭は、ドイツ全体が大量の難民の受け入れで混沌としていた時期だ。賛否両論のなかで推し進められてきた移民

受け入れ政策を悪用する形となった今回の事件に、国民のあいだに不安と怒りが広がっている。