アフリカ豚コレラ、殺処分の血で川が赤く染まる…韓国
2019年11月13日 18:32 発信地:ソウル/韓国 AFP
北朝鮮との軍事境界線に近い韓国・漣川郡にある臨時処分場で山積みにされた豚の死骸。地元NGOの漣川臨津江市民ネットワークが撮影、公開(2019年11月11日撮影、13日公開)
【11月13日 AFP】アフリカ豚コレラ(ASF)が流行している韓国で、殺処分された大量の豚から
出た血が北朝鮮との軍事境界線近くを流れる臨津江(Imjin River)に流出し、川の水が赤く染まった。
韓国ではASFの感染が9月に確認されて以降、38万頭近くの豚が殺処分された。ASFは人間には
害がないが、豚やイノシシの間での感染力が非常に強い。豚の場合はほぼ全ての症例が致命的で、
解毒剤やワクチンも存在しない。感染拡大を防ぐ唯一の方法として知られているのは、豚の大量殺処分だ。
地元NGOの漣川臨津江市民ネットワーク(Yeoncheon Imjin River Civic Network)によると、
北朝鮮との軍事境界線近くに位置する処分場には、殺処分された約4万7000頭の豚が積み重ねられて
いたが、先週の豪雨によってこの処分場から豚の血が流出し、10日に臨津江に漏出。これにより、
川の一部が赤く染まった。
同NGOのイ・ソクウ(Lee Seok-woo)代表は、「この地域の住民の多くが不安と懸念を抱いた」
と述べ、「臭気もまた耐え難いものだった。多くの農家が、臭いに我慢できず農作業ができなかったと
言っている。こうしたことが起こってはならない」と非難した。
韓国の環境省は13日、川に流れ出た血は現在、吸引ポンプなどの装置を使用して「適切に処理」
されており、周辺地域の蛇口から出る水道水に影響を及ぼすことはないと発表した。
北朝鮮との軍事境界線に近い韓国・漣川郡で、トラックに山積みにされた豚の死骸。地元NGOの漣川臨津江市民ネットワークが撮影、公開(2019年11月11日撮影、13日公開)。
北朝鮮との軍事境界線に近い韓国・漣川郡で、殺処分された豚から流れ出た血で赤く染まる臨津江。地元NGOの漣川臨津江市民ネットワークが撮影、公開(2019年11月10日撮影、13日公開)