中国の領土は「一寸たりとも」失えない 習主席、米国防長官との会談で
中国の習近平国家主席は27日、ジェイムズ・マティス米国防長官との会談で、中国には平和への強い決意があるが、
領土について「一寸たりとも」失うことはできない、と語った。
中国の国営メディアによると習主席はマティス長官に対し、「祖先から受け継いだ領土は一寸たりとも失うことは
できない」とした上で、「ほかの人々のものは我々は全く望んでいない」と述べた。
米中間の貿易をめぐる対立や、中国が南シナ海での領土主張を強めていることから、両国関係に緊張が高まっている。
米国の国防長官が中国を訪れるのは2014年以来。アジア歴訪中のマティス長官は、
28~29日に韓国と日本も訪問する予定だ。
マティス長官は27日の習氏や中国高官らとの会談について「非常に、とても」良かったと語った上で、中国との
「軍事的な関係は重要性が高い」と米国は考えていると付け加えた。
米国はこれまで、中国の南シナ海での活動について、人工島に施設を建設する行為は、隣国への威嚇であり
海域の軍事化だと、繰り返し批判してきた。
中国が領有権を主張する海域を示す「九段線」(赤い点線)と国連海洋法条約に基づく各国の排他的経済水域/EEZ(青い点線)
複数の国が南シナ海内の領有権をめぐって対立しているが、最も大きな領域の主権を主張しているのが中国で、
主張には歴史的な根拠があるとしている。
南シナ海には主要な航路が位置しているほか、豊かな漁場でもある。さらに、石油や天然ガスの埋蔵量が
豊富だとみられている。
今月12日には、ドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が
シンガポールで歴史的な会談を実現させている。
マティス長官は訪中後に韓国と日本に向かい、アジア地域への安全保障に対する米国の強い決意をあらためて
伝達すると予想されている。