ホッキョクグマ50頭が村を襲撃、非常事態を発令
‘Aggressive' Polar Bears Stage 'Mass Invasion' of Town
アルハンゲリスク州ベルーシャ・グバ
<村の長老も見たことがない大群、しかも「人を追い回す」新種のホッキョクグマ。殺さずに排除する
方法はあるのか?>
ロシアではこの数カ月、50頭を超えるホッキョクグマが住宅やオフィスに侵入し、人を攻撃する例も
確認されており、当局が非常事態宣言を発令した。
村では車や犬を使って追い払おうとしているものの、ホッキョクグマはライトや吠え声に慣れて
怖がらなくなっており、効果がないという。
Polar Bears Invade Russian Arctic Town
場所はロシア北東部にあるノバヤゼムリヤ列島の定住地、ベルーシャ・グバ。常時6頭から10頭の
ホッキョクグマが居ついている。地元自治体のアレクサンダー・ミナエフ副首長によれば、その一部が
「攻撃的」な振る舞いを見せており、地元住民は怯えて暮らしている。AFP通信によれば、同列島には
約3000人が暮らしている。
「住民はホッキョクグマに怯え、家から出るのも怖がっている」と、ミナエフは述べた。
「子どもを学校や幼稚園に行かせることもできない」
Russia's Novaya Zemlya is considering a cull to repel a "mass invasion" of polar bears, like this 1 in a young family's hallway. 52 bears counted in Belushya Guba. They should be hunting seals on sea ice but global warming is driving them to land @joli_mai https://t.co/h0HTZ3zWln pic.twitter.com/xYofvdizXb
— Alec Luhn (@ASLuhn) 2019年2月10日
温暖化で追いつめられる
同列島に暮らして35年以上になるビガンシャ・ムーシン首長は、ホッキョクグマがこれほどの
「大群で押し寄せた」のは初めてだと語った。しかもこれらのホッキョクグマは「文字どおり、人々を
追い回している」と彼はつけ加えた。
ホッキョクグマは国際自然保護連合のレッドリスト(絶滅の危機にある生物のリスト)で危急種
(絶滅危惧種よりも緊急度が1段階低いに分類されており、安易に銃は向けられない。
公式発表によれば、同列島を擁するアルハンゲリスク州の自然管理当局の自然保護活動家たちは、
ほかに何か方法があるはずだと考えている。
最善の対処法を考え出すため、専門家グループが現地に派遣される予定だが、やむを得ない場合には
殺処分の可能性も排除していないという。
温暖化などによって餌不足が深刻化するなか、ホッキョクグマはこれまで以上に人間の居住区域に
近づくようになっている。氷が解けて生息地は減少しつつあり、陸地で過ごす時間が増えているのだ。