豪も武漢にチャーター機派遣へ 帰国者を孤島に隔離計画
2020.1.29 18:41 産経新聞
【台北=田中靖人】オーストラリアのモリソン首相は29日、新型コロナウイルスに
よる肺炎が広がる中国湖北省武漢市にチャーター機を派遣し、豪州市民を帰国させる
計画を発表した。ただ、搭乗者は全員、インド洋に浮かぶ連邦領クリスマス島に
最長14日間、隔離するとしている。
豪州の首相府や報道によると、湖北省全体で豪州市民600人超の滞在が確認
されており、カンタス航空のB747の派遣を検討。子供や老人、旅行客を優先搭乗
させるとしている。
だが、中国政府が外国から相次ぐ航空機の受け入れに難色を示しているといい、
モリソン氏は「計画が成功するとは保証できない」とも述べた。
クリスマス島はインドネシアのジャカルタの南方約500キロ、豪州本土からは
約1600キロ離れた人口約2000人の島で、難民申請者の収容施設がある。
モリソン氏は同島への隔離は「豪州の公衆衛生を優先するためでもある」と理解を
求めたが、豪メディアは同島当局者の反発の声を伝えている。
クリスマス島とは?
インド洋に浮かぶクリスマス島は絶海の孤島として知られている。
HISのブログによるとオーストラリアから約1500キロ離れており、むしろインドネシアのジャワ島
からの方が約360キロと近い。リン鉱石の採掘で栄えた過去があり、1年に1度、大量の赤いカニが
産卵のために移動することで有名だ。
移民収容施設が島内にあり、オーストラリア国内で議論を呼んでいるという。
民主主義国家で本人の意志を無視して強制的に物事を行使することは難しい。
しかし、非常時だ。国民の安全な公衆衛生を考えれば、モリソン首相は英断を下した。
クリスマス島にも住民がいるので、もっと適切な場所に変更があるかもしれないが
14日間の隔離は正解だ。