安倍晋三総理大臣は同夫人とともに,1月16日(水曜日),ベトナムのハノイを訪問したところ,概要以下のとおり。
フック首相と。
歓迎式典
1 日越首脳会談・・・・・内容詳細はこちら
ベトナム政府による歓迎式典の後,15時50分頃から約60分間(現地時間),ベトナム首相府において,安倍総理は,グエン・スアン・フック・ベトナム首相との間で日越首脳会談を行った(先方:ミン外相,ダム官房長官,ホアン商工大臣ほか,当方:世耕官房副長官,谷﨑駐ベトナム大使ほか同席)。また,会談後,両首脳は共同記者発表を行った。
(1) 冒頭,フック首相より,総理就任に対し祝意が表明されるとともに,就任後初の外国訪問先にベトナムを選んだことを歓迎する旨の発言があった。安倍総理か ら,アジア太平洋地域の戦略環境が大きく変化する中,日本はこの地域の平和と繁栄のため積極的な役割を果たしていく,日本にとってベトナムは,地域的 課題を共有し,経済的に相互補完関係にある重要なパートナーである旨指摘し,両首脳は,「戦略的パートナーシップ」をさらに発展させ,協力関係を強化し, アジア太平洋地域の平和と安定,繁栄の構築に向けて,共に歩んでいくことで一致した。
(2) 安倍総理から,ベトナムの経済社会発展を引き続き支援していくことを表明し,新たに3件・約5億ドル(466億円)の円借款の供与を行う意向を 伝えた。
フック首相からはこれに謝意を表明し,両首脳は,貿易,投資,インフラ整備等の分野で協力をいっそう進展させることで一致した。
(3) 両首脳は,政治・安保分野の対話と協力をより積極的に推進することで一致した。
(4) 両首脳は,「日越友好年」及び日ASEAN友好協力40周年にあたり,国民レベルの交流を今後さらに強化することで一致した。特に,安倍総理か ら,アジアの未来を見据えた青少年交流を今後も継続・拡大していくことが重要であると指摘した。
(5) 安倍総理から,日ASEAN関係に関し,ASEAN統合を積極的に支援し,具体的協力を進めたい旨述べ,フック首相はこれを歓迎した。また両首脳 は,EASでよい成果を挙げられるよう,共にASEAN議長国であるブルネイと協力していくことで一致した。
(6)地域・国際情勢について,安倍総理から,アジア・太平洋地域における戦略環境が大きく変化する中で,日本はASEANと共に平和の道を歩み,地域における 緊張緩和,繁栄のため積極的な役割を果たしていくとの日本の基本的考えを説明した。その上で南シナ海情勢については,力による現状の変更に反対する こと,関連する国際法など法の支配が重要であるということで認識の一致をみた。また中国について,安倍総理より日本の基本的姿勢につき説明し,日本の 姿勢についての理解が深まった。
(7) 北朝鮮情勢について,安倍総理から,北朝鮮によるミサイル発射について,安保理決議の明白な違反であり,極めて遺憾である,国際社会の断固とした行 動が極めて重要である旨述べた。拉致問題につき,特に北朝鮮との関係を有するベトナムに対し,日本の立場への理解と支持を要請した。
署名式に立ち会う両首脳
共同記者発表
日越首脳会談に続いて,安倍総理は,グエン・フー・チョン共産党書記長との会談及びチュオン・タン・サン国家主席への表敬を行
い,二国間関係や地域・国際情勢について意見交換を行うとともに,フック首相夫妻主催晩餐会等に出席した。
チョン書記長と会談
クアン国家主席と
ガン国会議長と会談
ベトナム フック首相主催の歓迎晩餐会
総理は、歓迎晩餐会で次のように述べました。
「グエン・スアン・フック首相閣下及び令夫人、そして御列席の皆様。フック首相御夫妻に盛大な晩餐会を開いていただき心から感謝申し上げま
す。
2年ぶりに再び、美しいベトナムを訪問でき大変うれしく思います。この間、二国間関係はあらゆる分野で発展してきました。
この非常に良好な関係を更に深めていくためには、両国の国民同士の交流、あるいは企業同士の間の交流が大変有意義であると思います。
今回は、日本が誇る企業関係者が同行しています。ベトナムの活力にみせられ、ベトナムとともに発展したいとの気概にあふれた方々ばかり
であります。
明日のビジネス会合を通じてダイナミックに成長するベトナムとの交流が拡大し、ますますベトナムへの投資が増えていくことを確信していま
す。
また、本日は、日・ベトナム両国の特別大使を務める杉良太郎大使に同行していただいております。30年近く交流・発展に尽力されている功
労者であります。一昨年からは、ベトナム国営テレビで日本紹介番組をプロデュースしていただいています。
2018年の外交関係樹立45周年に向け、文化の力を熟知する杉大使とともに、フック首相の地元ホイヤンを含む各地での日本祭り開催や
テレビ番組等を通じて、文化交流を進化させたいと思います。
さらに、昨年のリオ五輪の男子射撃とパラリンピックの男子重量挙げでベトナム初の金メダリストが誕生したことをお祝したいと思います。
フック首相は、バトミントンが熱烈にお好きだと伺っていますが、私もリオ・オリンピック閉会式では、アベマリオに変身して2020年東京大会
への機運を盛り上げてまいりました。両国のスポーツ交流も、大いに盛り上げていきたいと思います。
今年はベトナムでAPECが開催されますが、11年前の2006年にもベトナムでAPECが開催されました。そのベトナムで開催されたAPEC
に、私は、総理大臣として出席をさせていただき、11年後の今年も日本の首相として、貴国のAPECに参加をさせていただきます。これは、日
本の総理大臣としてはまれなことでありますが、こうして2回貴国開催のAPECに参加できることを本当にうれしく思います。
旧正月明けの春に、天皇皇后両陛下がベトナムを御訪問されます。ベトナムでは新年早々の来客が大変歓迎されると聞いておりますが、こ
の御訪問が両国の友好親善を更に発展させると確信しております。
最後に、フック首相御夫妻及び御列席の皆様の御健勝、そしてベトナムのますますの繁栄、日越関係の更なる発展を祈念して杯を上げたい
と思います。」
3.ベトナム2日目
安倍総理大臣のベトナムにおける経済ミッションとの会合
平成29年1月17日(現地時間)、ベトナム社会主義共和国のハノイを訪問中の安倍総理は、企業との拡大会合に出席しました。その後、ファム・ミン・チン越日友好議員連盟会長による表敬を受けました。続いて、日越大学関係者との懇談を行いました。
企業との拡大会合
総理は、企業との拡大会合の冒頭で次のように述べました。
「皆様、おはようございます。今回の訪問には、ベトナムと特に深い関係を有する企業の皆様に同行していただいております。先ほど、朝7時半
から開催された会合で両国の官民が集い、活発な議論が行われたことは大変喜ばしい限りであります。
昨日のフック首相との首脳会談においては、投資環境の整備や投資・貿易の更なる拡大について、一致をしたところであります。
ASEANは、世界の成長センターであり、そしてベトナムはその中心であります。今や、1600社を越える日本企業が、ベトナムに進出をして
います。投資や雇用創出、技術移転等を通じた、これまでの日本企業によるベトナムの発展への貢献を賞賛いたします。
本日、フック首相を始めベトナム側の要人の皆様に御出席いただいたことに感謝を申し上げつつ、フック首相におかれては、高い技術と知見
を有する日本企業の声に耳を傾けていただき、今後とも積極的に日本企業を支援していただきたいと思います。
日本側の企業も技術力や人材育成の力をもって、貴国の経済の発展に貢献をしていきたいという意欲を持つ企業ばかりであります。
今後とも、ベトナムの地にしっかりと根を張り、共に発展を目指していくことになると確信をしております。
官民挙げて、ベトナムの発展に貢献をしてまいります。」
チン越日友好議連会長による表敬を受ける
日越大学関係者と懇談する安倍総理