豪「エアーズロック」、19年から登山禁止に 「ディズニーランドではない」
2017年11月1日 16:42 発信地:シドニー/オーストラリア AFP
オーストラリア北部特別地域にある巨大な一枚岩、ウルル(別称エアーズロック)(2013年10月11日撮影)。
【11月1日 AFP】オーストラリアで1日、観光名所である巨大な一枚岩ウルル(Uluru、エアーズロック、Ayers Rock)の登山が
全面的に禁止されることが決まった。この禁止措置は2019年10月に施行される。ウルルが観光客らの間で「テーマパーク」と化し、
文化的な重要性が損ねられているとの懸念が広がっていた。
オーストラリアの内陸部に広がるアウトバック(Outback)と呼ばれる荒野のシンボル、ウルルに登ることは、多くの観光客の間では
この国を訪れたら必ずやってみたいこととして見られている。しかし、ウルルの所有権を持つ先住民アボリジニのアナング
(Anangu)族にとって、この場所は聖地であり、彼らはウルルに観光客が登ることを快く思っていない。
アナングのウルル所有者らと国立公園の代表で構成されウルル・カタ・ジュタ国立公園委員会(Uluru-Kata Tjuta National
Park Board)はこのほど会合を開き、全会一致で登頂禁止を決定した。
サミー・ウィルソン(Sammy Wilson)委員長はオーストラリア放送協会(ABC)に対して、観光業者や政府の中にはウルルを
いつまでも開放すべきだと言う人もいるかもしれないが、この場所で効力を持つのは彼らの側の法律ではないと強調。
「ここは極めて重要な場所で、ディズニーランド(Disneyland)のようなテーマパークではない」と述べた。
現在、ウルルを訪れる観光客は年間約30万人に及ぶとされ、公式な統計はないが、その数は大幅に減少しているとの報告もある。
ウルルの砂岩の斜面は楽に登れるというわけでもなく、夏場は気温が45度まで上がることもあり、ここ何年かで登山中に多数の
死者が出ている。