韓国、柔道混合で抗議の座り込み…畳に10分以上、ルールを誤解
2018.9.1 22:10 産経新聞
混合団体準々決勝で日本に敗れた後、畳の上に座り込む韓国選手=ジャカルタ
ジャカルタ・アジア大会で1日、新採用の柔道混合団体準々決勝で日本に敗れた韓国の選手たちが、
試合後に10分以上も畳の上に座り込んで抗議した。混合団体は2020年東京五輪の新種目。直前まで
確定しなかったルールの誤解が原因だった。
最後の6人目が終わって3-3で並び、日本が内容差で勝利。だが韓国のメンバーは不服そうな表情を浮かべる。
日本が礼をして畳を下りても、勝利をアピールしながら6人全員が腰を下ろした。
規定を理解していなかったとみられ、韓国の安昌林は「勝ったと思っていた」と話した。
場内が騒然となる中、全日本柔道連盟の山下泰裕会長が審判員席に駆けつけ、ルールを確認する場面もあった。
注目された新種目での思わぬ騒動。日本男子の井上康生監督は「われわれもしっかりとルールを把握し、
準備しないといけないと改めて感じた」と語った。
今大会の混合団体のルールで重要なのは2点。1つは、一本勝ちが10点、技ありでの優勢勝ちは1点と、
明確に差別化されていること。もう1つは、今年改正された国際柔道連盟(IJF)のルールにのっとり、
指導3つによる反則勝ちは全て「一本勝ち」扱いとなることだ。
前日8月31日の組み合わせ抽選の際にも、この点は運営側から口頭で念押しされており、日本は選手にも説明して、
周知徹底していた。対して韓国は、「技ありも一本も同じ勝ち」と考えていたか、「反則勝ちは一本勝ちとは別物」
などと解釈していたとみられる。
男子73キロ級の海老沼は、「あれはただ韓国チームがルールを知らなかっただけだと思う」。
増地監督は「言葉の違いもあり、勘違いがあったんでしょう。(結果が)覆らなくてよかった」と、
安堵(あんど)の表情を浮かべた。アジア大会ならではの混乱の余韻が尾を引く中、「君が代」が響いた。
◆柔道混合団体戦 女子の57キロ級、70キロ級、70キロ超級、男子の73キロ級、90キロ級、
90キロ超級から1人ずつ選手を選び、計6人が出場。アジア大会では女子57キロ級が一番手となり、
男女交互に戦う。4分間で決着がつかない場合はゴールデンスコア(GS)方式の延長戦を行い、引き分けはなし。
勝利数が並んだ場合、一本勝ちや指導3つによる反則勝ちは10点、優勢勝ちは1点とポイント化して比較。
それでも勝者が決まらない場合は、抽選で選ばれた選手によるGS方式の代表戦を行う。
世界選手権では2017年に初実施され、日本が優勝した。