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中国が重視する「謝罪」、NBAは抵抗貫けるか。 NBAには、米国内で気付かれず、ひそかに謝罪するという選択肢はない

2019-10-14 22:53:00 | スポーツ

 NBAと中共のトラブルを簡単にいうと、NBA幹部が「香港がんんばれ」とツイート。それに対して中共がNBAに謝れと

言った。➡関係悪化。

中国バスケットボール協会やスポンサーがNBAやチームとの関係を中止すると表明。

中国の放送局CCTVが、今後はロケッツの試合を放送しないと表明

NBAの姿勢に、アメリカ国内からも批判の声が上がっています。

中国人のスーパースターだったバスケット選手ヤオミンがNBAに在籍していたこともあり、中国人はNBAがとても

大好きだ。ファンは日本の人口より多い1億4000万人。NBAにとって中国は優秀なドル箱です。


 中国が重視する「謝罪」、NBAは抵抗貫けるか

NBAには、米国内で気付かれず、ひそかに謝罪するという選択肢はない

 2019 年 10 月 10 日 07:46    WSJ By Eva DouJames T. Areddy and Ben Cohen

 
 【上海】中国は通常なら、「郷に入っては郷に従う」外国企業から欲しいものを手に入れる。

だが、今回の米プロバスケットボール協会(NBA)との対立では、NBAは中国が望むものを与える

ことに抵抗している。他ならぬ「謝罪」だ。


 多くの米企業はこれまで、国内でほとんど話題にされることなく、「中国の人々の気分を害した」

として中国に謝罪してきた。しかしながら、今回は事情が異なる。その結果、中国の伝統的な

「謝罪儀礼」が台無しにされている。


 その理由の1つに、NBAが異例のレバレッジ(交渉上の相対的優位性)を有していることがある。

普段はアジアの地政学情勢にあまり関心を示さない米国民に対し、NBAは相手を力でねじ伏せる中国の

やり方をテレビを通して伝えているのだ。


 また、NBAが黙って中国の要求に従うことはできないと即座に悟ったこともある。

「ヒューストン・ロケッツ」のゼネラルマネジャー(GM)、ダリル・モーリー氏がツイッターで

香港デモへの支持を表明すると、中国から非難が殺到。NBAは対応に追われた。

だが、NBAの初期対応は、米中両国で反発を浴びる結果に終わった。中国における反省の基準には

到底達していないものの、米国内では中国に屈したとして糾弾されたのだ。

 つまり問題は、米政治家はこれを謝罪と解釈する一方、中国当局者は謝罪とは受け止めなかったことにある。


 その後、NBAコミッショナーのアダム・シルバー氏は、断固として謝罪を拒否。中国の「筋書き」に

真っ向から立ち向かった。

レイカーズ対ネッツ戦のポスターをはがす作業員 


 この謝罪儀礼は、中国当局の怒りに触れた相手には広く定着している。そのため、中国外務省の

耿爽報道官は8日の定例会見で、単に「NBAは今後どのようなコメントを出し、どのような行動を

取るべきか承知している」とだけ述べた。


 中国当局者はこれまで、NBAが見習うべきはホテル大手マリオット・インターナショナルの事例だと

強くほのめかしている。マリオットは昨年、顧客調査でチベットを中国の一部としてではなく、

別の「国」として扱ったことで平謝りを余儀なくされた。中国の公式見解に従い、「分離主義派」を

非難するとともに、中国の領土保全を尊重するとの声明を発表。会社の公式アカウントを通じて、

チベット独立を目指すグループの投稿に「いいね」ボタンを押したソーシャルメディア責任者を解雇

するほどの徹底ぶりだった。

 

 外国企業はこれまで、ソーシャルメディア上で遺憾の意を示したり、最高経営責任者(CEO)を

中国に派遣して現地の規制当局者を直接なだめたりして、緊張緩和を目指してきた。シルバー氏と

NBA幹部らは9日、一連のプレシーズン試合のため中国入りしたが、中国側の代表がシルバー氏らと

面会するかは不明。試合自体も、レブロン・ジェームズやカイリー・アービングら人気選手のポスターが

はがされるなどしており、実施されるか不透明な情勢となっている。

 

 危機に見舞われた時に重要なのは、中国政府関係者との対話を継続し、合意できる分野を探ることだ。

PR会社、富謄咨詢(上海)の幹部、フィリップ・リシオ氏はこう指摘する。同氏は中国当局の支持を

失った企業を助けてきた経験から、「あなたの見解に耳を傾けるとももに、ビジネスの観点から

問題解決に当たることを望む」と伝えることが重要だと述べる。

 だが最終的には、中国当局への対応は、誠意がこもっているとの印象を与えることが必要だ。


 独メルカトル中国研究所(MERICS)のマレイケ・オルベルク研究員は、中国当局に非難された

企業が運命を変えることはできないと話す。同氏は企業に対し、謝罪しないよう助言している。

企業に対しては「これはあなた方が問題なのではない」と伝え、「より大きな点が問題であり、

あなた方は不運なことにやり玉に挙げられただけだ」と話すという。


 だが、NBAにとって難しいのは、米国内で気付かれず、ひそかに謝罪するという選択肢がないことだ。

モーリー氏の香港デモ支持表明が外交問題へと発展した状況ではなおさらだ。


レイカーズの人気選手の広告前で見張る警備員(上海市内) 

 

 

 モーリー氏は4日、問題のツイートを1時間足らずで削除し、6日には中国のロケッツファンや友人の

気分を害するつもりはなかったとのツイートを再び投稿した。そこで特筆すべきは、どんな種類の

謝罪もなかった点だ。


 その数分後(モーリー氏が問題のツイートを投稿して約48時間後)に、NBAが最初の対応を行った。

モーリー氏のツイートにより、中国ファンの心を乱したことは「遺憾」としたが、NBAは言論の自由を

支持するとの立場を改めて示した。NBAが中国語版の声明文で、モーリー氏のツイートは「不適切な発言」

であり、「多いに失望した」と発表すると、公式見解は英語版の方だと釈明を余儀なくされた。

 

 だがいずれの言語による声明文も、中国当局が聞き慣れている謝罪ではなかった。事態収拾に向けた

取り組みは失敗に終わった。


 NBA関係者で唯一、謝罪したのは、ロケッツのスター選手、ジェームズ・ハーデンとその隣にいた

ラッセル・ウェストブルックだ。ハーデンは7日、「われわれは謝罪する」とし、「われわれは中国を

愛している」と述べた。


 NBAの対応が混乱したことで、8日にはNBAとしての立場を明確にするよう求められるという

居心地の悪い状況に追い込まれた。シルバー氏は、中国による一連の圧力に対してNBAが当初行った

対応は不完全だと言われても仕方がないと認めながらも、言論の自由に対する謝罪との見方は断固として

否定。

「一部で混乱が見られたのでここで明確にしたい。われわれはダリル(モーリー氏)が言論の自由を

行使したことに謝罪していない」と主張した。


 中国当局は、別のテーマなら批判を受け流したかもしれない。だが、香港問題となれば話は別だ。

香港警察が過激化するデモの収拾に手間取る中、中国当局者は外国人による香港市民へのいかなる

物理的、心理的な支援にも激怒しており、とりわけ非難の矛先を米国へと向けている。

 こうした危機が重なったことで、中国当局は企業による見解の表明に不寛容な姿勢を強めている。

過去なら、水面下で決着を狙った可能性はある。だがNBAが今週身をもって学んだように、

現在の香港をめぐる問題ではそうはいかないのだ。


 

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