2018年03月08日 DailyNK
北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は7日、「米国の核の脅しから国家の利益を守るために正々堂々と核を保有している」と
主張する署名入りの論評を掲載した。同日、朝鮮中央通信が伝えた。
これは、核保有はあくまで自衛用であるとする「核抑止論」で、自国の核武装を正当化する従来の北朝鮮の立場を繰り返したものだ。
同通信によると、論評は「米国はわれわれに対する核攻撃を政策化しておいて長々数十年間、核威嚇・恐喝騒動を起こしてきた」とし、
「世界最大の核保有国である米国に単独で立ち向かってわれわれの体制と民族の運命を守らなければならず、他の選択はあり得な
かった」と主張した。
論評ではまた、核兵器を所有することで「米国の有名無名の核攻撃作戦計画を水泡に帰させ、世界で米国の覇権的地位を大幅に
弱化させた」点を強調した。
その上で、「核抑止力強化によって、朝鮮半島と北東アジア、ひいては世界の平和と安全は頼もしく保証されることになった」と
自画自賛した。
朝鮮中央通信の報道全文は次のとおり。
「労働新聞」朝鮮の核保有は正当であり、論難の種になりえない
【平壌3月7日発朝鮮中央通信】7日付の「労働新聞」は署名入りの論評で、セルビア進歩党出身議会議員で「ポリティカ」
新聞社の政治・軍事論評員であるラザンスキ氏、アルジェリアの政治評論家であるアリ・ガルジュリ氏をはじめ諸国の国際
問題専門家の間から朝鮮の核保有の正当性を主張する声が相次いで響き出ていると指摘した。
同紙は、朝米対決の歴史がそれを雄弁に実証しているとし、次のように続けた。
歴代、米国はわれわれに対する核攻撃を政策化しておいて長々数十年間、核威嚇・恐喝騒動を起こしてきた。
現世紀に入って、われわれに対する米国の核威嚇・恐喝はいっそう狂気を帯びた。
世界最大の核保有国である米国に単独で立ち向かってわれわれの体制と民族の運命を守らなければならない先鋭な対決の
局面で他の選択というものはあり得なかった。
われわれは、米国の核威嚇から国家の最高の利益を守るために正々堂々と核兵器を保有した。
われわれは、ヒステリックな戦争狂気を振るってわが民族を核惨禍の中に追い込もうとしていた米国の有名無名の
を水泡に帰させた。
世界で米国の覇権的地位を大幅に弱化させた。
われわれの核抑止力強化によって、朝鮮半島と北東アジア、ひいては世界の平和と安全は頼もしく保証されることになった。
われわれを力で圧殺し、ひいては世界を制覇しようとする米国の核の妄動を単独で制圧して世界の平和と安全を守り抜いた
朝鮮の功績は世界の称揚を受けて当然である。---