文大統領「過去の省察・自由貿易」重要=国連で日本に警告
【ニューヨーク聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は24日午後(日本時間
25日午前)、米ニューヨークで開かれた国連総会の一般討論演説で、「過去に対する省察」と
「自由貿易の価値」を強調した。
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日本について直接言及しなかったものの、韓国大法院(最高裁)が韓国人徴用被害者への賠償を
日本企業に命じた強制徴用訴訟問題や、日本の対韓輸出規制などで両国の対立が続く中、事実上、
日本に向けたメッセージと受け止められる。
文大統領は「東アジアは第二次世界大戦が終わった後、侵略と植民支配の痛みに打ち勝ち、
相互緊密に交流して経済的な分業や協業を通じて世界史に類例がない発展を成し遂げた」とし、
「自由貿易の公正な競争の秩序がその基盤になった」と指摘した。
また「過去に対する真剣な省察の上に自由で公正な貿易の価値を堅く守って協力する時、われわれは
さらに発展していくことができるだろう」と述べた。
今回の国連総会は日本政府が8月に2日に輸出管理の優遇対象国から韓国を除外する方針を閣議決定
してから、文大統領が初めて参加する多国間の外交の場となる。各国の首脳が集まる場で日本の
経済報復が両国だけの問題ではなく、国際社会での自由貿易の秩序をかき乱す問題であることを
アピールした格好だ。
文大統領は日本政府が優遇対象国から韓国を除外する方針を閣議決定したことを受けて8月2日に
開いた緊急閣議で、日本の措置は韓国大法院が日本企業に賠償を命じた強制徴用訴訟に対する
「明白な貿易報復」と指摘し、「強制労働の禁止」と「三権分立に基づく民主主義」という人類の
普遍的価値や国際法の大原則に反する行為と批判。これまで政府の強力な対応を指示してきた。
韓国政府は日本の輸出規制措置が「政治的動機による差別的措置」とし、今月11日に世界貿易機関
(WTO)に提訴するなど国際社会に今回の措置の不当性を知らせる国際世論戦を進めている。
ただ、文大統領の演説では日本の輸出規制措置に直接言及しないことで、発言のトーンンを抑えた。
「過去に対する真剣な省察」は韓国人の強制徴用や慰安婦被害者問題に対して真の反省を見せない
日本政府や指導者を間接的に批判したものと分析される。
大法院が昨年10月に日本製鉄(旧・新日鉄住金)に賠償を命じた強制徴用訴訟について、
韓国政府は司法の判決を尊重するとの立場だが、日本政府は1965年の韓日請求権協定で解決済み
として反発している。
韓国政府は強制徴用訴訟問題について、日本が対韓輸出規制を行った理由の一つとみているが、
日本政府は同問題と輸出規制措置には直接的な関連がないと主張している。これに対し文大統領は
先月29日の臨時閣議で「日本がどのような理由で弁明しようと過去の歴史問題を経済問題に
絡めたことは間違いなく、(これを否定するのは)非常に率直ではない態度」と指摘した。
大統領は演説の終盤で、「今年は韓国にとって非常に特別な年」とした上で、日本による植民地支配に
抵抗して起きた独立運動「三・一運動」から100周年、臨時政府樹立から100周年に当たると
説明し、再び日本との過去の歴史の問題について触れた。
その一方で文大統領は「韓国は近隣諸国をパートナーと考え、共に協力して朝鮮半島と東アジア、
さらにはアジア全体で『人中心、共生繁栄の共同体』を拡張したい」と述べた。
外交や経済の分野で韓日の対立が現在進行形ではあるものの、東アジア地域の近隣諸国として
共存しなければならない関係にあるとの認識を示したものとみられる。
ムン大統領は、北朝鮮との関係に多くの時間を割き、ことし6月、アメリカのトランプ大統領と
キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長がパンムンジョム(板門店)で会談したことについて、
「新しい平和時代の本格的な始まりを宣言した。両首脳がさらに一歩、大きく進むことを願う」と
述べました。
そして、朝鮮半島に平和を定着させるため南北がともに繁栄することが必要だと強調し、
韓国と北朝鮮の間の非武装地帯を国際的な平和地帯にすることを提案し、世界遺産への登録を目指すと
述べました。