米、対北制裁でロシアの「不正」非難 「瀬取り」や鉄道建設など
2018年9月18日 6:44 発信地:国連本部/米国 AFP
米ニューヨークの国連本部で行われた安保理会合の様子(2018年9月17日撮影)
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【9月18日 AFP】米国のニッキー・ヘイリー(Nikki Haley)国連(UN)大使は17日、ロシアが北朝鮮での
鉄道建設計画や、石油製品の積み荷を洋上で移し替えるいわゆる「瀬取り」、事業取引の継続といった形で、
国連の対北制裁をめぐり「不正」を行っていると非難した。
米ニューヨークの国連本部で開かれた安保理会合で発言する、米国のニッキー・ヘイリー国連大使(2018年9月17日撮影)
国連安全保障理事会(UN Security Council)の会合でヘイリー大使は、ロシアが国連の対北制裁を
「継続的かつ広範囲にわたり違反」している証拠をつかんでいると言明。「ロシアは制裁の効力を弱めようと、
段階ごと制裁ごとに何度も繰り返して、さまざまな方面から働き掛けを行っている」と指摘した。
ヘイリー氏はロシアが極東(Far East)地域からの石炭の輸出を目的として、ロシアと北朝鮮間、
ひいては韓国間に鉄道を開設し、国際貿易港に到達することを望んでいるとも述べた。
米国は、北朝鮮経済に打撃を与えてきた国連制裁を、北朝鮮が核兵器・軍事計画を完全に断念するまで
継続すべきだと主張している。
一方ロシアは、石油精製品を北朝鮮船籍の船舶に洋上で移し替える瀬取りについて、その疑いがあるロシア船籍の
船舶のブラックリストへの掲載を求める米国の取り組みも阻止してきたとされる。
先には、安保理の委員会の専門家パネルがまとめた報告書に記載されたロシアの対北事業に関する記述が、
ロシアの圧力で修正されたことが発覚。今回の会合は、それを受けた米の要請で開催された。
米ニューヨークの国連本部で開かれた安保理会合に臨む、ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使(右、2018年9月17日撮影