世界に広がる「バナナ危機」、新型の伝染病で生産体制崩壊
2016.04.20 Wed posted at 15:34 JST CNN
ロンドン(CNNMoney) かつて最も人気の高かった種類のバナナを壊滅させた病気が再び世界各国の生産地に広がり、バナナ輸出
に大きく依存する中南米を脅かす事態になっている。
このほど開かれた国際バナナ会議の会場は、直前になって中米コスタリカから米マイアミに変更された。出席者の靴に付いた汚染土
から、中南米に病気が広がる恐れがあるという理由だった。
問題の病気は「パナマ病」。「萎凋(いちょう)病」とも呼ばれ、アジアからオーストラリアの一部、アフリカ、中東へと広がっている。特に欧
米で消費されるキャベンディッシュ種のバナナが影響を受けやすい。
国連食糧農業機関(FAO)は今月、パナマ病について「世界で最も破壊的なバナナの病気の1つ」と指摘。この病気に対抗するため、
360億ドル(約4兆円)規模のバナナ業界が行動する必要があると強調した。
パナマ病はかつて、1960年代に最も人気があったグロスミシェル種のバナナを壊滅させた。代わって台頭したのが、病気に強いとさ
れたキャベンディッシュ種だった。
しかし新型のパナマ病によって、アジアの一部でバナナの生産が崩壊。バナナの研究者や生産者は現在、キャベンディッシュ種に代わ
る新種のバナナの開発に力を入れている。
台湾ではキャベンディッシュの変異種が何種類も開発され、フィリピンや中国で試験が行われている。ベルギーの専門家インゲ・ファン
デンベルク氏はこうした新種について「極めて有望」だとしながらも、味が必ずしも良くなかったり、長距離輸送に向かないものもあると
説明した。
中南米は今のところ影響を免れており、欧米でバナナが値上がりする事態にはなっていない。
しかし今後パナマ病が中南米に広がれば、北米や欧州に輸出されるバナナの種類や値段が変わる可能性はあるとファンデンベルク
氏は言う。
最大の危険にさらされるのは途上国だ。パナマ病は最高で40年も土壌の中に残る可能性があり、巨額の資金と何十億トンものバナナ
が危険にさらされかねない。新種のバナナの栽培には多額のコストがかかる。
FAOの植物病理学者は、「萎凋病が広がれば、生産者や流通業者、バナナ業界に依存する世帯に重大な影響を与えかねない」と警
鐘を鳴らした。
パナマ病とはカビの1種でバナナの根から感染するそうです。
特効薬はなく、感染の拡大を防ぐしかないそうです。
発展途上国は死活問題です。せっかく順調に栽培していたのに、ゼロになる可能性も大きいです。
日本もフィリピン産バナナが値上がりしています。
バナナは栄養価も高く、美味しい。年齢問わずよく食べますし、どこでも売っています。
中南米はなんとか免れて欲しいです。
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