日韓の軍事情報協力をまたも妨げる「慰安婦」問題
2016年04月02日 14:21(アップデート 2016年04月04日 16:34) SPUTNIK
韓国は、軍事情報に関する包括的保全協定(GSOMIA)を日本との間で調印する用意はないと結論付けた。
韓国は、軍事情報に関する包括的保全協定(GSOMIA)を日本との間で調印する用意はないと結論付けた。
この回答は、ワシントンで開かれた日米韓三国首 脳会合で、韓国側が示したもので、この会合では、 軍事政治領域における三国の
協力レベルを高める方策について意見が交換された。
会合終了後、韓国の対外政策及び安全保障問題担当大統領書記を務めるキム・ギュヒョン氏は、記者団に対し「日本との間で、そうし
た協定に調印するために は、しかるべき雰囲気が作られなければならない」と述べている。
日韓の間で軍事情報に関する包括的保全協定調印の試みが、失敗に終わったのは何も今回が最初ではない。
2012年には、韓国議会が、トクト(日本名;竹 島)の領有権を強く主張し、さらに日本側が「従軍慰安婦」問題を含め、第二次世界大戦
時の犯罪に対し十分悔い改めていないとして、協定の調印を支持しな かった。
韓国が、この協定に調印するのを現在妨げているものは、一体何だろうか?
ラジオ・スプートニク記者は、ロシア科学アカデミー東洋学研究所コリア課のアレ クサンドル・ヴォロンツォフ課長にマイクを向け、話を
聞いた- 「ワシントンで行われた日米韓協議は、軍事・政治分野での協力深化を、この三つの国が目指している事を証拠立てるもの
だ。そうした協力は事実存在している が、今のところまだ、完全な同盟というレベルにまで達していない。そのプロセスは進展しており、
それを前進させる主な力になっているのは米国であり、現在 ある日米、米韓二国間合意が、三か国のパートナーシップへと進化する
よう多大な努力を絶えず傾けている。 しかし、そのために必要不可欠な日韓の接近を、外交的、歴史的、心理的特徴を持った複雑で
困難な問題が邪魔している。領土問題や、従軍慰安婦といった問題 だ。まさにそうした理由で、数年前、すでに準備のできていた諜報
情報交換に関する合意に調印できなかった。この合意は、軍事-政治協力のレベルを高め、関 係を完全な同盟へと前進させるプロセ
スの本質をなすものである。当時この事に対し、米政府はいら立ちを隠さず、意見の違いをなくしてゆく努力をするよう日 韓両政府に
働きかけた。 昨年末、日韓両首脳は、文書に調印し、慰安婦問題克服し、二国間関係の議題からこの問題を除く事を宣言した。
突破口が開けたのではないかと思われた。それ ゆえ今回の日米韓サミットには、目に見える成果が期待されていた。まして、北朝鮮を
めぐる情勢の先鋭化が、諜報機関に関する協定の調印や意見の食い違いの 克服を促すだろうと思われていたから、なおさらである。
しかし、ある程度の進歩はあったものの、日韓の軍事-政治協力発展のカギを握る軍事情報に関する包 括的保全協定の調印は、又も
やうまくいかなかった。この事は、日韓関係が、今も容易でなく、両国間の矛盾が調整されていないままである事を物語っている。
ここで忘れてはならないのは、従軍慰安婦に関する日韓合意に関し、韓国内で、ソウル当局は、合意調印の条件に関し今も生きておら
れる女性達の意見に関心を 示していないと、大変激しい批判の声が上がった事だ。こうしたファクターは、余り取りざたされていない
が、相変わらず、軍事-政治分野での日韓合意を深め る上での障害となっている。」