ロシアで軽油1万5000トンが川に流出、プーチン氏が非常事態宣言
2020年6月5日 9:11 発信地:モスクワ/ロシア AFP
【6月4日 AFP】ロシアのシベリア(Siberia)地方の火力発電所で大量の軽油が川に流出
する事故があり、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は3日、非常事態を
宣言する一方、発電所の運営会社を厳しく叱責した。
ロシア当局によると、事故が起きたのは、北極圏の都市ノリリスク(Norilsk)近郊の
火力発電所。5月29日に燃料タンクが損傷し、軽油1万5000トンが付近の川に、
6000トンが土壌に流出した。
当局が発電所を運営するNTEKが事故報告を怠ったと指摘したことを受けて、
プーチン氏はテレビ会議で、NTEKのセルゲイ・リピン(Sergei Lipin)社長を厳しく批判。
「なぜ政府機関が事故について把握するのが、発生の2日も後になったのか? 政府は
緊急事態をソーシャルメディアで知るものなのか?」などと問いただし、異例の厳しい
叱責を行った。
NTEKの親会社、金属大手ノリリスク・ニッケル(Norilsk Nickel)は、NTEKが
「適時適切」な方法で事故について報告したと発表している。
重大犯罪の捜査を担当する連邦捜査委員会(Investigative Committee)は、環境法令
違反の疑いで捜査を開始し、発電所の職員1人を拘束したと発表した。
連邦捜査委員会が公開した現場のものとされる動画には、燃料タンクから流れ出す
軽油や、フェンスの下を流れる軽油が映っていた。
世界自然保護基金(WWF)の専門家、アレクセイ・ニズニコフ(Alexei Knizhnikov)氏
によると、今回の流出量は、1994年にロシア北西部コミ(Komi)共和国で数か月に
わたって発生した原油流出事故に次ぎ、ロシア近代史上2番目になるという。
Russia's 20,000-tonne diesel spill pollutes waterways in Siberia