北朝鮮、朴前韓国大統領に死刑宣告 金正恩氏暗殺企てたと非難
2017年06月29日 09:04 AFP
【6月29日 AFP】北朝鮮は28日、韓国の朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)前大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、
Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の暗殺を企てていたとして、朴氏を死刑に処すと威嚇した。
国営朝鮮中央通信(KCNA)が報じた北朝鮮当局の合同声明は、朴氏は韓国の情報機関が画策した金正恩氏を排除する計画を
「推し進めた」とし、「われわれは国内外を問わず、反逆者である朴槿恵を死刑に処すことを宣言する」と主張。
韓国の情報機関、国家情報院(NIS)の李炳浩(イ・ビョンホ、Lee Byung-Ho)前院長と「その一味」も同様の運命にあり、
「今後、いつどこで、いかなる方法で惨めな死に方をしても訴えることはできない」と続けている。
収賄および職権乱用容疑で弾劾訴追されて逮捕された朴前大統領は、現在、韓国ソウル(Seoul)で身柄を拘束され、公判中の身。
北朝鮮は28日の声明で韓国政府に対して、「恐ろしい国際的なテロ犯罪の首謀者」として朴前大統領らの身柄を
「即時」引き渡すよう要求している。
一方、NISは声明で「何度も明言してきた通り、北朝鮮の主張は事実無根」であるとし、
「北朝鮮がわが国民の殺害を公に脅迫することは容認できない」と述べた。
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朴政権、北朝鮮指導者の交代を目指していた。
韓国の朴槿恵前政権が2015年末以降、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長を「指導者の地位から追い落とす工作を
行おうとした」ことが分かった。朝日新聞が、朴政権の対北朝鮮政策に詳しい関係筋の話として報じた。
2015年12月に行われた南北当局者の会談決裂を受け、朴前大統領は、国家情報院主導の「北朝鮮で『リーダーシップチェンジ
(指導者の交代)』を目指すことを含む政策を認める決裁書にサインした」という。この政策には、正恩氏の引退、亡命、暗殺などが含
まれていた模様。朝日新聞が報じた。
韓国側は、北朝鮮指導者が後退した場合に朝鮮半島で有事が発生するのを恐れ、「韓国の介入によって引き起こされたことがわから
ないよう細心の注意を払った」という。
なお、「正恩氏が乗る自動車や列車、水上スキーなどに細工をして事故を装う方法も検討したが、北朝鮮の警戒が厳しく、実現しなかっ
た」という。朝日新聞が報じた。