米、合同演習(RIMPAC)の中国招待取り消し…南シナ海問題
2018年05月24日 15時09分 読売新聞
【ワシントン】米国防総省は23日、米海軍が主催する今夏の「環太平洋合同演習(RIMPAC リムパック)」への中国の招待を取り消したと
発表した。
中国が南シナ海の島々を軍事拠点化する動きを強めていることを理由としている。中国の一方的な現状変更の試みを、
これ以上容認しないとのトランプ政権の強い決意が込められた措置だ。
同省は声明で「中国による南シナ海の軍事拠点化への最初の措置として、招待を取り消した」と表明した。
領有権争いが起きている南シナ海での中国の振る舞いが「緊張を高め、地域を不安定にしている」と指摘。
南シナ海・スプラトリー諸島へのミサイル配備などの具体的な中国の問題行動を列挙し、
「軍事化しないとの習近平(シージンピン)国家主席の約束に反する」と批判した。
リムパックは2年に1度、ハワイ周辺の海域で実施される世界最大規模の海上演習で、前回2016年には日英豪など
26か国で行われた。中国海軍は、オバマ前政権下の14年に初めて参加し、16年に続き、今回も招待されていた。
国防総省は、中国に対し、既に配備したミサイルなどの撤去と軍事拠点化の試みの停止を要求している。
中国が応じる見込みは薄く、南シナ海情勢を巡る米中間の緊張が一層高まるのは必至だ。
訪米中の中国の王毅(ワンイー)国務委員兼外相は23日、ポンペオ米国務長官との会談後の共同記者会見で、招待の取り消しを
「とても非建設的な動きだ」と非難。
南シナ海での軍事拠点化は「必要な防衛施設を自国の島に築いているだけだ」と述べ、正当性を強調した。