エルドアン大統領、国連総会で演説 「瞳の色が何であれ、我々の涙の色はみな同じである」
レジェプ・ターイプ・エルドアン大統領は、イラク・クルド地域政府に再度、9月25日の独立住民投票実施をあきらめるよう呼びかけた。
19.09.2017 TRT
エルドアン大統領は、ニューヨークで開催された第72回国連総会で首脳たちに演説した。
イラク・クルド地域政府の住民投票実施の決定は地域に新たな紛争をもたらす可能性があると強調したエルドアン大統領は、
「この件における明確で断固たるトルコの姿勢を無視することは、イラク・クルド地域政府が現在持っている機会も失うことになる
過程につながる可能性がある」と警告した。
またエルドアン大統領は、6年にわたって内戦に苦しめられているシリア国民に国際社会が無関心であるにもかかわらず、トルコは
この危機を解決するためにもあらゆる政治上かつ人道上の努力を示していると語った。
トルコが自国領土内に避難したシリア人300万人とイラク人20万人を受け入れていることを伝えたエルドアン大統領は、これらの
人々に費やされた金額が300億ドル(約3兆3450億円)に達しているものの、欧州連合(EU)は交わした取り決めを履行していない
と述べた。
エルドアン大統領は、
「移民320万人の重荷をトルコに背負わせた諸国や国際機関すべてに、交わした取り決めを履行するよう促したい」と述べた。
さらに湾岸地域で6月5日以降続いている危機にも言及したエルドアン大統領は、カタール国民に対する禁輸は解除される必要が
あると指摘し、危機解決に向けてクウェートが担っている仲介役は支持すると述べた。
続けてミャンマー・ラカイン州のムスリム・ロヒンギャ族がさらされている民族浄化にも言及したエルドアン大統領は、国際社会は
この悲劇に対して合格点を取れていないと指摘した。
トルコはこの危機の解決に向けても努力していると明らかにしたエルドアン大統領は、自分の家族と一部大臣がバングラデシュの
避難先のキャンプにいるムスリムのロヒンギャ族を訪問したとし、これらの人々に人道支援が届けられるよう公的機関や市民社会
組織が力を合わせていると述べた。
エルドアン大統領は、
「この悲劇を防ぐことができなければ、人類の歴史に新たな汚点が記されることになる」と話した。
常任理事国5か国から成る国連安全保障理事会の既存の構造を再度「世界は5大国より大きい」とする言葉で批判したエルドアン
大統領は、代替案として完全に同等な権利と権限を持つ理事国20か国から成る構造を提案した。
エルドアン大統領は、
「瞳の色が何であれ、我々の涙の色はみな同じである」と述べて演説を終えた。