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トランプ氏、イラン核合意離脱を発表 。制裁再開 / 各国が、トランプ大統領に対抗し、核合意への支持を強調 / ロシアの警告

2018-05-09 09:02:15 | 核(軍事)・原発・非核化・制裁

トランプ氏、イラン核合意離脱を発表。制裁再開

 【ワシントン】ドナルド・トランプ米大統領は8日午後、イランと欧米など主要6カ国が結んだ核合意から米国が離脱すると発表した。

オバマ前大統領の外交上の業績を覆したことになり、主要な同盟国からの批判も呼びそうだ。


 トランプ氏は正式発表に先立ち、外国首脳に電話で離脱を通告していた。マイク・ペンス副大統領はこの日、議会指導部に

離脱決定を説明した。


 上院外交委員会のボブ・コーカー委員長(共和、テネシー州)によると、トランプ氏は7日夜、イラン核合意に関する決定を

コーカー氏に説明していた。ペンス氏もポール・ライアン下院議長(共和、ウィスコンシン州)に説明した。


 トランプ氏はホワイトハウスでの記者会見で、イラン核合意について「ひどい」「一方的な」などと辛らつに批判。

その上で、イランに対して「最高レベルの経済制裁」を科すと表明。イランの核兵器開発を支援する国は全て制裁対象となるとした。


 政権関係者によると、対イラン制裁は直ちに再開される。企業や金融機関には新規の契約や金融取引を禁じる。

既存の事業関係は、取引の種類に応じて90日または180日以内に打ち切る猶予を設けた。


 トランプ氏は「このイラン合意は根本的に欠陥がある」と指摘。イランが核兵器の開発計画を維持しながらも、

嘘をつき続けたことを示す新たな証拠があるとしたイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の先月の発表を引き合いに出した。


 トランプ氏は「イランの約束が嘘だという決定的な証拠がある」と語った。もっとも、多くの専門家や元当局者の見方では、

ネタニヤフ氏の言う「新たな証拠」に新情報はないという。


 トランプ氏は、合意破棄の決断は「米国が口先だけの脅しはしない」という合図だとし、「私は約束を守る」と語った。


 ただ、自身にはイランとの「新しく、長続きする合意」を目指し交渉する用意もあり、交渉できるとした。

「イランのため、皆が望む平和と安定のために素晴らしいことが起こり得る」と語った。


 一方で、核開発計画を放棄しなければ「今までにないほどの大問題に見舞われるだろう」と、イラン政府に警告した。


 フランスのエマニュエル・マクロン大統領、ドイツのアンゲラ・メルケル首相など欧州の首脳らはこのところワシントンを訪問し、

トランプ氏に核合意を破棄しないよう要請していた。


 7日には英国のボリス・ジョンソン外相が合意を温存するためにペンス副大統領、マイク・ポンペオ国務長官と相次いで会談。

トランプ氏のお気に入りのテレビ番組「フォックス・アンド・フレンズ」にも出演するなど、最後の訴えを行っていた。



ホワイトハウスで、米国のイラン核合意離脱に関する文書に署名するドナルド・トランプ米大統領(2018年5月8日撮影)



各国が、トランプ大統領に対抗し、核合意への支持を強調

2018年05月08日19時44分  ParsToday


アメリカのトランプ大統領による、核合意の離脱か残留かの発表を前に、各国が、核合意への支持を表明しています。

トランプ大統領は、8日火曜、核合意に関する決定を発表することになっています。

アメリカの12任の民主党上院議員が、トランプ大統領に書簡を送り、イランとの核合意に留まるよう求めました。


また、フランス、ドイツ、イギリスのヨーロッパ3カ国は、共同声明の中で、「アメリカの核合意に関する決定はさておき、

我々は核合意の遵守を続ける」と発表しました。


ドイツのマース外務大臣は、7日月曜夜、フランスのルドリアン外務大臣と、ベルリンで共同記者会見を行い、

「フランスやイギリスと協力し、イランの核合意が維持されるよう全力を尽くす」と表明しました。

この記者会見で、両者は、イギリス、ドイツ、フランスが、この合意の遵守を決意していることを発表しました。


国連のドゥジャリク事務総長報道官は、国連の核合意への支持を強調すると共に、この合意は、外交努力の成果であるとし、

世界の安定の維持に不可欠なものだと述べました。

 国連のドゥジャリク事務総長報道官


中国外務省も、「中国政府は、どのような状況の中でも核合意を遵守する」と強調しました。

中国の国連大使とロシア外務次官は、中国とロシアがイランと6カ国の核合意を支持することを強調し、

アメリカの核合意離脱は大きな過ちだとしました。


EU外務安全保障政策上級代表のトッチ特別補佐官は、「ヨーロッパは、核合意においてこれほどアメリカ大統領に

注目すべきではなく、この国際合意がアメリカなしでも維持されることに集中すべきだ」と語りました。


IAEA国際原子力機関は、核合意が実施された後、10回に渡り、イランがこの合意の取り決めを遵守していることを認めました。

イランは、アメリカが核合意を離脱すれば、この合意に留まらないと表明しています。

 

 

核合意破棄に関するロシアの警告

2018年05月05日18時55分   ParsToday
 

ロシア政府が、声明の中で、核合意の破棄は損害となると警告を発しました。

この声明によりますと、核合意における利益のバランスが崩れることは、国際的な安全保障と核不拡散システムに深刻な

結果をもたらすことになります。

また、理由のない、国際社会の意思に違反した核合意の破棄は、朝鮮半島の核問題の平和的な解決に向けた努力に影響を

及ぼすことになります。


ロシアによる核合意維持の再度の強調は、核合意の離脱とこれに関する口実探しに向けた、アメリカの行動が進んでいる中での

ものです。

ロシアの見解では、アメリカによる核合意の離脱と破棄は、確実に世界の平和と安全に深刻な結果をもたらすことになります。

実際、ロシアは、核合意のような合意が簡単にアメリカのトランプ大統領によって反故にされれば、

その後、北朝鮮との核協議などにおいて、たとえその中で合意が締結されても、アメリカなどの相手側がそれを守る上で、

何の保証も存在しなくなると考えています。


イランは完全に核合意を守っており、IAEA国際原子力機関や、核合意参加国でアメリカの同盟国のヨーロッパ諸国も、

それを認めています。核合意の破棄は、国際的な不信感を生み、世界各国は更なる対立に導かれることになります。

この見解により、ロシアは核合意の遵守を強調し、核合意の離脱によるマイナスの結果について警告を発しているのです。