「親中派」の金正男氏殺害 中朝関係さらに悪化か
2017/02/14 23:28 朝鮮日報
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の故金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男で、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、正男(ジョンナム)氏が13日午前(現地時間)、マレーシアで殺害された。「親中派」とされた正男氏の死去が中朝関係に与える影響が注目される。
正男氏は2013年に処刑された張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長と共に北朝鮮の代表的な親中派として知られていた。
12年に金正恩政権が発足してから、正男氏はマカオや北京などを行き来しており、中国政府が事実上、保護しているとの見方も出ていた。
そのため、正男氏の後見人だった張氏が処刑された後、正男氏の身辺は中国が保護しない限り「風前のともしび」と指摘されることもあった。正恩氏は中国が裏で協力し、正男氏を前面に出したクーデターを最も恐れていたとされ、張氏の粛清で正男氏の立場も危ういものとなっていた。
張氏の処刑後、正男氏が北朝鮮に入ること自体が不可能との見方が出る中、金正恩政権発足後からぎくしゃくしてきた中朝関係は正男氏が中国の保護を受けている限り、根本的な改善はできないとの観測も出ていた。
正男氏が中国領内で中国当局の保護を受けている間は、北朝鮮の政権崩壊など有事の際に中国の支援を受けて「代役」として投入される可能性があるためだった。
北朝鮮による犯行だと確認されてはいないが、正男氏が殺害されたことを受け、中朝関係がさらに冷え込む可能性は排除できない。
ただ、中国は北朝鮮の核問題をめぐる対応や、米国とのライバル関係という観点から北朝鮮を抱擁する戦略的な理由もあり、正男氏の殺害が中朝関係に与える影響は予測できないとの分析もある。