混乱のスノボ女子スロープスタイル 「平昌の突風」でほぼ全員転倒、批判の声も

【2月12日 AFP】平昌冬季五輪は12日、スノーボード女子スロープスタイル決勝が行われ、激しい風が吹き荒れる危険な
コンディションで多くの選手が転倒する中、米国のジェイミー・アンダーソン(Jamie Anderson)が混乱を乗り切り、2大会連続の
金メダルを獲得した。
予選が中止になった前日に続き、この日も強風でスタートが1時間以上遅れた。しかし、フェニックススノー競技場(Phoenix
Snow Park)で行われた決勝では、激しい風の影響でアンダーソンを含むほぼすべての選手が転倒。大けがをした選手はいなかった
ようにみえたが、相次ぐ転倒は競技続行にも疑問符が付くものだった。
オーストラリア代表団の中では最年少となる17歳のテス・コーディ(Tess Coady)は、前日の練習中に左膝を骨折して棄権。
この日の決勝を15位で終えたオーストリアのアンナ・ガッサー(Anna Gasser)は「すでに多くの選手が風のせいでけがをしていた」
「昨日だって朝の練習は危険だった」という。
さらに、この日の決勝は「くじ引き」のようだったというガッサーは、「フェアな競技だったとは思わない。強行した主催者には
少し失望している」「私の考えでは、女子スノーボードにとって良いショーではなかったと思う」と続けた。
■「激しい突風」
転倒もあり17位で終わった英国のエイミー・フラー(Aimee Fuller)は、この日のコンディションはキャリアで最も難しかった
ものの一つで、強風にあおられた最後のジャンプで着地を決めるのは「不可能」だったと振り返っている。
転倒したものの負傷は免れた26歳のフラーは、「きょうのコンディションは間違いなく難しかった。(自分の演技は)望んでいた
ものでも、期待していたものでもなかった。五輪の決勝という舞台で夢見ていたものではなかった」と悔やむ。
「激しい突風があった。『平昌の突風』と呼ぶことに決めた」
決勝では五輪のスノーボード競技で二つの金メダルを獲得した史上初の女子選手になったアンダーソンに続き、カナダのローリー・
ブルーアン(Laurie Blouin)が銀、フィンランドのエンニ・ルカヤルビ(Enni Rukajarvi)が銅メダルで続いたが、人々の話題は
氷点下の気温と相まって選手と観客を苦しめた風に集中した。
吹き飛ばされるような風との駆け引きが求められる高いレールとジャンプ台が配置されたコースでは、この日の決勝までに
英国のケイティ・オームロッド(Katie Ormerod)とコーディが負傷し、競技出場を断念することを余儀なくされた。
自身初の五輪で前十字靱帯(じんたい)を断裂し、数か月の離脱を余儀なくされたコーディは、転倒の原因は風だったとした上で、
「きょう、私の五輪は突然に終わりを迎えた…。練習中に最後のジャンプ台で風にあおられた。それに前十字靱帯なんて最悪!」と
自身のインスタグラム(Instagram)でつづっている。
強風による競技中止で全員決勝進出という前代未聞の展開。
決勝も強風で選手たちは可哀想でした。本来なら大技で勝負するところですが、それも見られずとても残念。
競技場所の工夫をもっと出来なかったんでしょうか。スノボスロープは韓国の選手は出ていないので突風対策もせず
無責任に作ったのか、と疑ってしまいます。
雪がないのに半端じゃない寒さに強風。ジャンプノーマルヒルでは中断、中断で表彰式は午前0時過ぎ。
アルペン競技も連日延期、酷い状況です。
藤森由香 9位
広野あさみ 12位
突風で転倒者続出
広野あさみ
カルラ・ソマイニ(スイス)
イサベル・デルングス(スイス)
藤森由香
ジュリア・マリーノ(米国)