カビラ大統領が後継発表(コンゴ民主共和国)
2018/08/09/Thu 現代アフリカ地域研究所
ジョゼフ・カビラ大統領
8月8日、大統領選挙立候補者受付最終日に、カビラ大統領は自らの後継を発表。
シャダリ(Emmanuel Ramazani Shadary)元内相が与党PPRDの候補者となった。
カビラは、2016年末に任期が切れた後も選挙を実施せず、大統領の座に居座り続けた。
この間、野党や市民社会、そして国際社会は選挙実施に向けた圧力をかけ続けてきたが、
カビラが政権に居座るために何か策を講ずるのではと見られてきただけに、後継者の任命は一定の驚きと
歓迎をもって迎えられた。
8月8日付ファイナンシャルタイムズは、ヘイリー米国連大使は、カビラが三選に踏み切らなかったことを
歓迎するコメントを出したと報じている。
元内相という肩書からわかるように、シャダリはカビラ政権を支えてきたインナー・サークルの一人である。
2016年以降、米国やEUはコンゴに選挙実施を促す目的で制裁(ビザ発給停止や資産凍結など)を
科してきたが、シャダリも制裁対象者の一人である。カビラとしては、忠実な部下を後継者に選んだと
言えよう。
シャダリの他に、ICCから無罪判決を得た元副大統領のベンバ、長年野党を率いて昨年死去した
チセケディの息子フェリックス、元国会議長のカメルへなどが大統領選挙への立候補届を提出した。
有力者の一人で元カタンガ州知事のカトゥンビは、立候補届提出のために入国しようとしたが当局の妨害で
果たせず、期限までに立候補届を提出できなかった。
今後、12月23日の選挙に向けて、選挙管理委員会が立候補資格審査を行うなど、もろもろの準備を
進めていくことになる。4か月間、様々な波乱が予想される。
大統領「不出馬」波紋 「院政」を警戒
2018年8月21日 21時45分 毎日新聞
【ヨハネスブルク】アフリカ中部コンゴ民主共和国のカビラ大統領が12月に予定される大統領選挙に
出馬しないと発表した。国内外から驚きの声が上がる一方で、カビラ氏が任期切れ後も大統領の座に
居座り続けた経緯もあり、このまま身を引くと見る向きは少ない。
大統領選の立候補期限だった今月8日、カビラ氏は後継候補にラマザニ・シャダリ前副首相兼内務・治安相を
指名したことを明らかにした。
父ローラン・カビラ大統領の暗殺を受け2001年に29歳で大統領となったジョゼフ・カビラ氏は、
本来なら16年末に任期満了を迎えている。3選禁止規定で大統領選には出馬できないが、
一方で次の大統領選を行わない限り現職の大統領は職務を継続できると定めた憲法規定を根拠に
選挙を先延ばししてカビラ政権は続けられてきた。
コンゴ民主共和国の大統領選挙、有力候補者排除。
2018/09/10/Mon 現代アフリカ地域研究所
9月3日、コンゴの憲法裁判所は、ジャン=ピエール・ベンバに対して12月23日に予定されている
大統領選挙の立候補資格を認めない判決を下した。理由は、ベンバがICCにおいて証人買収容疑で
起訴されているため。8月にベンバが立候補届を提出したのに対して、選挙委員会(CENI)が立候補資格を
認めない決定を下し、それに対してベンバ側が憲法裁判所に訴えていた。
この判決により、ベンバの大統領選挙への立候補資格は最終的に認められないこととなった。
ベンバは、2002-03年に彼が指導していた反政府武装勢力(MLC)が中央アフリカで行った残虐行為の
責任を問われてICCで起訴されていたが、6月に無罪判決が下された。
しかし、彼は2018年3月、ICCによって、商人を買収した容疑で懲役1年、罰金30万ユーロの判決を
受けている。ベンバ側はこの件について、9月17日に上告する意向を明らかにしている。
今回、憲法裁判所は、この起訴を理由としてベンバの立候補資格を認めなかった。
今回の憲法裁判所判決によって、ベンバの大統領選挙への道は閉ざされた。
もう一人の有力候補であるカトゥンビ(前カタンガ州知事)は、8月に立候補届を提出しようと
ザンビア国境から入国を試みたが、警官隊などの妨害により果たせなかった。
結局、ベンバとカトゥンビという2人の有力候補はいずれも大統領選挙に参加できないこととなった。
カビラは8月8日、後継者としてラマザニ・シャダリ元内相を指名したが、有力なライバルを排除した
選挙でラマザニ・シャダリが当選させ、自分が陰で操るつもりだとの見方が強まっている(例えば、8月31日付
Africa Confidential)。
一騒動起こす韓国。コンゴ民主主義を脅かす韓国人。
2018年10月15日13時47分 中央日報