2012・秋
都内某所において、ある会合が行われていた。
待ち合わせは、20時ジャスト。飲み会にしては中途半端な設定である。
メンバーは、M、E、K、H。共通点は、オーバーfortyであること、そして、全員女であること。
議題は、松本潤、以下Jと呼ぶ、の日本エンターテイメント界における活躍と今後の動向についてであった。
店は、初めて使う場所であったが、半個室状態で、三方を壁で囲まれ、
入口は一人が出入りするのに丁度位の空間。
そして、外側のフロアの喧騒と音もうまく遮断出来るようで、尚且つ、外の状態も窺い知れる(つまり注文がすぐ出来る)という、
こうした会合にはもってこいの部屋であった。
話し合いにに先んじてまず、Jの応援、観察、啓蒙活動など、近況報告が成された。
E: ラキセSPのロケ情報と、Jの観察報告。
M: コン参加における問題点についての考察、ネット上のファン心理についての感想。
上の報告に関しての感想と意見交換。
その後、
まず、口火を切ったのはM。
M: Jがね、あんなにできる男で、すべてに優れているのにね、なんであえて、普通の男の役がくるのか、ってことよ。
あー、なるほど。
等身大ってよくいわれるけど、どういう意味よ。
イイコちゃんで、いい人で、っていうのは面白くないのよ。
やっぱり、スポンサーがあっちこっちにいすぎて、気をつかうのよ。
国民的って言われちゃうとね。
(皆、同時にしゃべり始めるのでダレが言ったかわからなくなる。)
探偵のときだってね、一番初めの、女とのシーン、アレからくるなら、
ずっとあのキャラでいけばいいのに。
そう、そう、女好きな駿太郎はーどこよね。
いや、でもあれは子どもには刺激的すぎたわ。
あれ位はどうってことないはずよ。
何と言っても脚本よね。
そうそう、ナツニジの時だって、
どんなに私たち、期待したことかってね。
表参道、渋谷の。あの写真!
頭の中が妄想こーんなにふくらんじゃって!
同じ脚本家が雑誌に書いたでしょ?
ハイ、グ○ティアね、あの線で、ドラマも来るかと思ったわよね!
相手が子持ちってだめよ。
いや、子持ちでももっと色っぽさがあればさ。
やっぱり途中から外野の注文がね、うるさくなるのよ。
作り手の初めの物語と変わっちゃうのね。
ラキセだって、挿入歌が放送とDVDとでは違ってたわ!
版権とかの問題でしょ?
これじゃ、いい作品も難しいね。
でもJがね、頑張るのよね。
ちょっと心配なくらい。
自分も大事にしないとね。
ハ~、とびっきりいい脚本来ないかしら。
そうよ、だいたいすごおい出来る男なんだから、
すごおい奴の役を演るべきよ。
(再び、当初の話題の戻り、エンドレス、スパイラル状態になる会合なのであった)
時に、恋人、時に小姑、そして、あるいは母の目線。
そして、ジャニーズに投下される経済効果と、日本の基幹産業と嵐の関係についてなどなど、
多岐に渡る話し合いが続いた。
一貫して、常にあるのは
Jへの無償の愛である。
店の最後の客になったところで、お開き。
女たちはまだ、語り足りない気分を残すも
それぞれの居場所に帰って行った。
帰路の電車内、彼女たちの胸に去来したのは黒髪Jか、茶髪天使Jであったか、はたまた次の日のJ活動であるか、
筆者には知る由も無い。
だが、これは間違いない。
彼女らは確信している、会ったことのない無数の同志が日本中、否、世界中に存在することを。
そして、いつの日か再び、Jへの愛を語り尽くすであろう日がくる事も。
#これはフィクションです。