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主夫の徒然なるままに

言語の習得(13)『なんか』

5歳の孫娘とその母親(娘)、妻と4人で近くのイオンに買い物に行った。スマホ売り場で小さなプレゼントをもらったり、イベント広場でおもちゃすくいをしたりして楽しんだ。帰りの車の中で、「金色のコインがなんかキラキラで、なんか面白そうなので2枚とった。12個とっていいらしく、なんか楽しかった。」「Riちゃん、おしゃべりの中に『なんか』が多いね!」と私。 本人はよくわからないという表情。すぐさま母親が、しゃべりだす。「なんかいい服ないかとお店を探したんだけど、なんかどの店も今安くなくて、なんかつまらなかった。」
「今、たった3つの文章をしゃべったのに、3つも『なんか』が入ってるね」と私が指摘。みんなで大笑いしたが、「娘が『なんか』を多用するのは、母親の言い方のまねをしてるんだろうね」、と母親が言う。




 最近、TikTokを寝る前に流しているのだけれども、お気に入りは、「安住さんのラジオ日曜天国」と「永井ローラさんのおしゃべり」だ。
 (注:永井ローラさんは、スリランカと奄美大島の両親をもつハーフ)



 ふと、流れてきた「永井ローラさんのおしゃべり」を今日も聞いていると、彼女の話の中に『なんか』がやたらと多いのに気が付いた。
「なんか、そもそも~」、「なんか、まいにち~」、「なんか、その~」、「たとえば、なんか、その時の~」など実に多くの『なんか』が挿入される。

 おしゃべりにリズム感を出すための言葉なのかどうか疑問に思い、調べてみることにした。
 
品詞としては、副詞、副助詞、感動詞のような分類だと思う。ただし、品詞にこだわるのでなく、その言葉がどのような場面で話されるかがより興味深い。

 一般的な『なんか』は、物事に否定から入る時や人を見下している時、感受性が乏しい時、疲れている時になどに発せられる場合の言葉であるようだ。「なんか、この映画~」や「なんか面白くないよね」など「でも」「だって」「どうせ」に近いものであろう。

 ただし、口癖のように多用する場合は、語彙力の無さをカバーするためか、次の言葉を探すために一呼吸おく時にでる言葉として使われるらしい。何かを話したい時に、どのように表現すれば良いのかわからないケースで、まず、『なんか』をだし、リズムを持たせているのだろう。ちょっと子供っぽくみられる言葉と感じられるかもしれない表現だ。

 「なんか私なんて~」などの『なんか』は否定的表現なので、多用する人は嫌がられる可能性がありそうである。口癖のような『なんか』を発する人は、知識や教養が低い人に見られ、軽くあしらわれそうになるかもしれない。

 最近、若者たちが、何でもかんでも、『やばい』で済ますことが多い。美味しくても『やばい』、美しい風景も『やばい』、おもしろくても『やばい』、オレオレ詐欺が多くても『やばい』(これは正しい使い方かも?)『やばい』の多さに個人的に、ちょっと抵抗があり、『やばい』を感じる。

 とにかく、『やばい』しか表現できない若者を見ると、彼らの語彙力無さ、表現力の不足ににがっかりさせられる。社会人としての大人としては、口癖のように使ってはいけない表現のひとつではないだろうか。

 さて、『なんか』でもりあがった後、孫娘も娘もあまり『なんか』を言わなくなったような気がする。いいことである。
 
 前回、途中までしか読めなかった絵本の続きを読んであげようとすると、「いやだあさまであそぶんだい」 の題名も覚えていて、びっくりした。1語読みの効果があったのだろうか。初めからもう一度1語1語しっかりと読んでいくことにした。クライマックスに近づくとその後の続きをズバリ予想して見せた。彼女の理解力と想像力が結ばれたような感動を覚えた。「一音一音ハッキリ読み」の効果は抜群であった。さらに、「今度、一緒に図書館に行こう」とも言った。本が大好きになってきたようだ。

 先日、母親から、泣き止まないので、「うるさい」って怒鳴り散らしたと電話があった。隣近所から「虐待」の通報がありそうで怖いとも(笑)。そこで、『ひとはなくもの』という絵本を借りてきた。次回、孫娘と娘が来たら、 「一音一音ハッキリ読み」で読んであげようと思う。

















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