「史上最強の哲学入門」飲茶(ヤムチャ)著
なんか変な名前の人が書いているので、興味をそそり、読んでみた。
よくある哲学入門では、哲学者順であったり、時代順であったりするのだが、この本では、テーマを基本に哲学を紹介してるところが他の哲学入門とは、違うように感じだ。
<真理><国家><神様><存在>のテーマに沿って時代とともに戦う哲学。この進め方が、たいへんわかりやすく感じ、楽しく勉強させてもらった。
各哲学者を一言で自分なりにまとめを作ってみた。
<真理の真理>
▼1. プロタゴラス 相対主義哲学 ― 「人間は万物の尺度である」
▼2. ソクラテス 無知の知 ― 毒杯の意味→この世界には命をかけるに値する真理が存在し人間はその真理を追究するために人生を投げ出す強い生き方ができる。
▼3. デカルト 我思う故に我在り ― 疑っている私の存在を疑ったとしても、やはり、疑っている私の存在は真だから。哲学の第一原理
▼4. ヒューム イギリス経験論 ―すべて知識や概念は、人間が経験から作り出したものに過ぎない。「自我」「神」「科学」の絶対性の否定
▼5. カント ― 人間共通の経験の形式があるのだから、人間共通の普遍的な概念(真理)はある。
ー 人間はモノ自体には到達できない。 真理とは人間によって規定されるもの
ー 人知を超えた「真理」から、人間にとっての「真理」へ=コペルニクス的転換
▼6. ヘーゲル ― 弁証法 真の真理へ導く唯一の方法
人類の歴史は対立によって究極の真理、理想の社会へと進展していく
▼7. キルケゴール ― 私にとって真理だと思える真理、私がそのために生き、そのために死ねるような真理 そういう真理をみつけることが重要だ。
▼8. サルトル ― 「人間は自由の刑に処せられている」
アンガージュマン「運命に従わず、自分の意思で何事も切り開いて行こう」「究極の真理を求める歴史の進展を僕たち自身の手で」という態度
「実存は本質に先立つ」=実存主義=「人間の存在を中心に考える哲学的思考 」
▼9. レヴィストロース ― 「構造主義」 理性を重視し、唯一の真理に向かっていこうとする近代哲学を西欧中心主義の高慢な思い込みと断じた。
この和批判は、西洋社会の知識人や哲学者たちに大きな衝撃を起こした
▼10. デューイ ― プラグマティズム 人間の思考(理性)とは、単に「生きるための道具」にすぎない。道具としてなんの役に立つかを考えればよい。
▼11. デリダ ― ポスト構造主義 脱構築=伝統や秩序を解体し、隠ぺいされていたものを解き明かし、意味を解釈しなおす
西洋哲学や西洋文化の真理を批判
▼12. レビィナス ― 他者論 本来うまくいかないはずの「私」と他者との関係(対話)を断絶させずに成り立たせている原動力とは、人間の「真理を求める熱い想い」である
<真理>に対する熱い想いが、戦いとして歴史の中に登場してくる。その戦いは、面白くってしかたがない。おもしろい本に巡り合えた。(続く)
<想い出の一枚>
北九州市には、タコ公園が多い。
<主夫の作る夕食>
フライパン替えたら、冷凍餃子がじょうずに焼けました。