ところが悪霊が彼の心を失望に導いて行きました。だんだんと心を惑わし、彼はあごが震えることに対して「中国の公安たちの策略だ!僕に電磁波で信号を送りつけている」と考えるまでに至りました。そのような状態のまま答えを見つけようとしても答えを得ることは絶対にできません。電磁波、信号、公安...それらの作り話を事実であると信じているのにどうして問題が解決できるでしょうか?逃れられない沼に溺れてもがくことと同じです。彼をそこから救うためには彼の問題が何かを正確に知ることです。成績が下がった事が問題なのか、自尊心が傷ついたことが問題なのか、うつ病が問題なのか?うつ病が問題ならば、良い友達と会話をすることで心が軽くなるかもしれません。ひとりで抱え込んでいる状態がうつ状態に繫がるのであれば、互いにうち解けて話をすればいくらでも解決できるような気がします。悪霊は人間をいくら探しても答えがないところまで引きずり落とし、混乱に巻き込まれるようにします。そのため、大切なのは本人が問題を解決しようと何かをするのではなく、そもそも考えそのものが間違っていることを悟らせることです。東京タワーを北海道で探したところで見つかるはずがありません。悪霊に引きずられて何かに溺れてしまえば、何もかもが混沌として、ありもしないものをやみくもに探し始めます。そのように時間を過ごしていくことにより引きこもりになったり、うつ病になったりしてしまったという話をよく耳にします。